廃屋で鬼ごっこ
投稿者:赤壁二世 (13)
長編
2022/01/31
23:52
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それからは特に何も語る事はない。
廃村を抜け、来た道をひたすら駆け走り、深夜の道路をただ歩いて帰ってきた。
地元のコンビニが見えた時は夜中の三時過ぎだったと思う。
そこから一番近いという理由でBの家に行くことになり、寝ていたBの両親をチャイムで起こしたときはそこそこ不機嫌だったせいかBは頭を小突かれて𠮟られていた。
Bの部屋で一夜を明かすんだが、どうにも俺は眠れずにいて、雑魚寝状態だが寝返りを繰り返していた。
すると、みんなも同じようで、いつの間にか自然と全員が座っていて、誰が切り出したのか忘れたが、ポツリとさっき体験したことについて話していた。
「あれ、なんだったと思う?」
「「「……」」」
Aの覇気のない質問に俺達は答える気力もなかった。
というより、それぞれ結論は出ているような面持ちだった。
結論から言えば、あれは幽霊だと思う。
追っかけまわされていた時は薄々は誰かの悪ふざけだと思っていたんだが、最後、廃村の民家に居た奴は、間違いなく俺達を追い掛け回していた白い奴と同一人物だ。
もし、人間だとしたらどうやって先回りしたというのだろう。
それに俺は三人には言っていないが、他にも人影と人の目を目撃している。
「…まあ、忘れよっか」
何れにせよ俺達はもう二度とあそこへは行かないと固く誓った。
何せ、最後に見た奴の顔に、目玉が四つあったのを見てしまったから。
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妖怪化した霊とかかな
面白かったです
小説読んでるみたいで面白かったです
創作だろうけど、なかなか鬼気迫るものがあり、読ませる話だ。
現実問題として、廃屋に無断で入ると不法侵入になるので注意が必要。どうしても入りたいときは自治体の許可(特殊な見学)を取って、昼間に探索するのが得策。大抵は許可が下りないが、うまく行けば下りることもある。
しかし、廃屋廃墟探索は素人はやるべきではない。
情景が詳しく書かれていて想像しやすくて面白かった
押し入れの話の中でも面白かった
うわー怖い
今までで一番怖い話だったかも