てんぐのちご
投稿者:誠二 (20)
長編
2022/01/16
21:03
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「僥倖じゃ、稚児が増えた」
夕間暮れの闇からさまよい出たのは赤ら顔の大男でした。大男はタカシと男の子を両腕に抱きかかえ、あっというまに空に舞い上がり、山の方へ去っていきます。
後にはタカシの名前を呼ぶんで泣きじゃくる友人と、放心状態の俺だけが残されました。
数時間後……捜索隊に神社の出来事を伝えた所、皆は一様に青ざめて相談を始めました。
そこで俺が知らされたのは、この村では何百年も前から神隠しが相次いでいたこと、それが天狗のしわざであるということでした。
天狗にさらわれる子どもはすべて男児で、今から70年前にも村に越してきた少年が消えているそうです。故に村人たちは生まれた男の子に女の服を着せ、女の名前を付けて天狗の目を欺いてきたのでした。
結局タカシは山で遭難したか変質者に誘拐されたと見なされ、数年後には警察の捜査も打ち切られました。
ここからは俺の憶測ですが、俺が幼い頃神社で遊んだ男の子は70年前に失踪した少年で、天狗が新しい獲物をひっかける際のおとりとして使われていたのではないでしょうか……。
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天狗の言い伝えってなると大体あの辺りかな?っていう地方が推察できたりするのがロマン
面白かったです
天狗って男の子が好きなのかな。
良かったです。
どこか切なさも感じる話
読み応えありました
ジャニー