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FBSさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

夜の湾岸警備業務で”よくあること”
短編 2021/09/25 19:09 1,607view

知人の一人で警備会社に勤めており港周辺の警備業務についている男性がいる。
港だけではなく、その周りにある防風林や遊歩道や臨海公園にも監視カメラが設置されており常時監視しているそうだ。

ある夏、例年よりやや水難事故が多かった年があった。
警備の仕事をしているとそういった情報が常に入ってくる。
毎年のことであるから特別気にすることもないが自然と今年はどれくらいだっただろうと思ったりはするみたいだ。
まぁ実際の警備はテロや事故を防ぐことが主体であるので、あまり関係ないと言えば関係ない。

その年の秋ごろかららしい。
夜に監視カメラを常に見ていなくてはいけないのだが、深夜ごろになると誰かがさーっと通り過ぎるのが移るのだ。
初めは同僚から聞いたのだが男性もそれを見かけるようになった。

しかも特徴的なのが人が歩くような移動でなく、少し宙に浮いているようにさーっと一瞬で通り過ぎる。

そんな事を何度も確認すると黙認することもできず上司に報告の末に、その地帯で夜間の巡回が義務付けられた。
場所は港にある防風林のかかった遊歩道である。
一回だけの特別巡回ということで、二人でなく一人で簡単に形だけの見てくるといったものだった。

最初は同僚が担当で巡回に行った際に、後ろから気配がしてサッと林の中に一瞬で消えたとも言っている。
男性が巡回をすることになった時、恐々歩いていると全く同じように同じ場所で後ろから気配がして林に消えたのだ。
もう一人の同僚も同じ現象が起きていたが、不思議なことに監視カメラには警備員だけで他には誰も映っていないいなかった。

そんなあやふやな状況を上司に報告すると、検討された結果、事件性や人の確認はできなかったとのこと。
その後、その場所の近くで水難事故があったことや例年より多かったことで神主さんに鎮魂の儀式をお願いされて実施された。
それからというもの監視カメラには何も映ることがピタッと止み、警備員や職員一同がその年からその時期が来ると事務所から黙祷する事が慣例となった。

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