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呪い・祟り

お芋さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

落ち武者と共に暮らすということ
短編 2021/07/27 16:34 1,480view

私の実家で聞いた少しだけ怖い話。
場所は東京の下町。細い路地を奥まで入り、隣家の横はどん詰まり、昔は隣とつながっているような長屋の状態であったと祖母は教えてくれました。
祖母によると、今家がある土地にその昔、落ち武者が流れ着き暮らしていたと言い伝えられているとのこと。小さかった私はよくわからんがすごく怖そうなワードに恐れおののいていました。ただ、だからといって次々に不幸が、などどいうこともなく暮らしはごく一般的でした。とはいえ、このように文章を書いているということは怖いと思うことがいくつかありました。

子どもはこの世とは違う世界との境目にいる、保育園勤務の私はそのように感じる瞬間があります。
幼少期、夜中に尿意で目を覚ました私。2階から階段で降りなければ用を足せない。小さな私にはかなりの恐怖心を伴う行動でした。隣の母に声をかけるも相手にされず一人でトイレに行くことに(ちなみに当時は和式です)。
その日もダッシュで帰還の予定が、階段を降りてふと玄関を見るとヌラヌラとしたような生き物が玄関にて私の名前を呼んだのです。その後2階に駆け上がり母に「河童が出た」と狂乱状態でうったえたところで記憶が途絶えています。今思えば狭間にいたのかなと思います。

その後、順調に思春期へ。
当時悩まされたのは金縛りで、毎回同じ落ち武者風の男性が耳元でいろいろ囁いてきます。
ある休日、昼寝をしているといつもの金縛りが。その日は本当に怖いし苦しくて、隣室の母に心の中で助けを求めました。目覚めてから母に、さっきは本当に辛くてと話すと、母も私に激しく体を揺さぶられている怖い夢を見て目覚めたとのことでした。昨今、科学的に解明されてはいますが「デュアル金縛り」案件というところでしょうか。

謎の発光体が頻繁に撮影されるため、友人にはお化け屋敷と呼ばれていましたが、家族は幸せに暮らしています。ときにはヌラヌラとした河童として、またときには囁き金縛りおじさんとして現れる落ち武者と共に。

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