某県の某町に、長内(おさない)先生という、医者の幽霊が出る病院があったという
真昼間から堂々と、しかも生きているようにハッキリ見えるから、大騒ぎになってその病院は閉鎖されてしまった……
先日の飲み会で、そんな話を小耳に挟んだ
出所は、酒の席でたまに会う裕子(ゆうこ)さんだ
裕子さんは60才という年齢ではあるが、とても若々しく美しい
スタイルも良く、常に高そうな服やアクセサリーを身につけている
昔はタレントだったのと、今でもセレブ生活をしているからか、常に余裕な態度で大物感もある
そんな女性の口から、幽霊話が出るとは思わなかった
だけど、ボク以外は興味がないようだ
怖い話が大好きなボクは、周りの人を押しのけて、詳しく教えてくれと懇願した
そして、今までに行った心霊スポットの数や、それぞれの場所のあらましを、矢継ぎ早に熱く語った
「ボクはこんなにも怪談を愛しているんです!
だから、その幽霊話を知る権利がある!」
さほど親しくもないボクの態度に、若干引いてはいたが、
「いいわよ、教えてあげる。
とても興味がありそうなのが良いわね!
新しい心霊スポットの開拓にもなると思うし、詳しく話してあげるわ。
でもここは賑やか過ぎるし、話は長いから、後日カフェで良いかしら?」
と、提案してくれた
勿論、ボクは了承した
※
数日後、ボクは都内のカフェで裕子さんと会った
「丁度、この話を誰かにしたいなぁと思っていたの。
私の周りで怪談好きは貴方だけみたいね。
ちゃんと最後まで聞いてね」
癖なのか、年を重ねても いちいち色っぽい仕草をする
それでも美人ではあるし、昔はよく水着姿でテレビに出ていた記憶があるから、自然に受け入れられる
そんなことより、ボクは三度の飯より好きな怪談を聞きたいから、コクコクと頷いて先を促した
「私の地元の話で、時期は90年代よ。
その頃私は20代後半で、タレントを辞めて地元にいたんだけど、近所の病院に30代半ばの長内という医者が赴任して来たのよ。
長内先生は痩せ型の長身で手足も長く、とにかくスタイルが良くてね、上に乗っている顔も、凄く整って美形だったの。
しかも家は大金持ちで、医学界の重鎮が親戚に何人もいる、超エリートの身の上という訳よ。
本人も一流大卒の医師で、都内の大病院で働いてたんだけど、何故か田舎町の病院にやって来たの。
誰もが何で? と思ったけど、その疑問はすぐに分かったわ、長内先生はヤバイ医者だったのよ」
























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