子供の頃、小学校のホームルームでのことです。
「吉田さんの四肢をもいだのは誰か?」
担任は女の若い先生で、黒板に「四肢」と書いて人の両手両足を指す言葉であることを説明していたのが印象に残っています。
吉田さんは同じクラスの女の子で、夏に入る前に交通事故で亡くなっていました。
クラスのみんなでお葬式に行った日の帰りに、誰かが「よしちゃんの手がなかったね」と言いました。あった、なかったと盛り上がっていたのですが、真相は交通事故で身体がバラバラになって棺桶には義手や義足をつけていたとのことです。
そんな吉田さんはその日以降、クラスのみんなの夢に出てきました。
義手と義足をつけた吉田さんがぎこちなく歩きながら、「返して」とだけ繰り返し言っている夢です。
それは担任の先生も見たそうで、みんなで吉田さんの家に行って線香をあげたりしたのですが、結局その夢を見続けました。
そしてクラスの結論としては、吉田さんの交通事故の犯人を見つけないと救われないのだということになって、みんなで犯人を見つけようとした時に、このホームルームが開かれました。
「吉田さんは交通事故で死んだんじゃないの。みんなには黙っておこうということになったんだけど、本当はアサギアパートのモリナガエイトが吉田さんの四肢をもいで殺してしまったのよ。モリナガエイトはその後自殺しちゃったからこの世にはいないの」
先生はそういうと、「だから犯人探しは意味がないの」と言ってホームルームはお開きになりました。
家に帰った私や他の子は早速親にそのことを話します。結果、大クレーム。
なぜなら、吉田さんの死因はやっぱり交通事故であるし事故の相手も分かっているからです。
つまり先生の話はまるで嘘だということになります。
その後先生が教室に現れることはありませんでした。
夢で吉田さんが現れることも無くなりました。
同窓会などでこの話が上がると、先生は病気で学校を辞めたと言うことになっているけれど、モリナガエイトに四肢をもがれて殺されたのだろう、ということになっています。

























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