※胸糞注意、グロい表現あり。体調が優れない方は、読まないことをおすすめします。猫好きさんもご注意下さい。
ヒトコワに該当するかもしれませんが、よくあることなので、特別投稿にしました。
これは私が20歳代前半の時に、本当にあった話だ。
当時私は中部地方に属するN市の会社に、車で通勤していた。会社の駐車場は三方向が住宅に隣接しているため、時々ネコさんに出くわした。
ある日のこと、私は出社時間よりだいぶ早く到着してしまい、会社の駐車場で時間を潰していた。私の駐車スペースから少し離れたところに、一台の立派な赤い外車が停まっており、その下には1匹の灰色ネコさんがいた。まだ小さな仔だった。その日はスッキリしない天気で風が冷たかったので、そのネコは車の下でぬくぬくしていたのだろう。
そうこうするうちに、一人の鮮やかなブルーのワンピースを着た派手めの女性が早歩きでやって来て、勢いよくその赤い車に乗り込んだ。
(ちょっと、車の周囲は見ないのかい?)
私はこの時点で、ザワザワ、ヂクヂクと嫌な胸騒ぎを感じていた。
【ネコさん、逃げて!】
ーーブロロロロオォ、ブルンッ、ブルンッーー
まさかのエンジン音!
(おい、ちょっと待て!あんたの車の下には……)
エンジンをかけてもしばらく停車していたら、あんなことは起こらなかったかもしれないが、あの青いワンピースの女は無情にも車を急発進させたのだ!
【グゥジャッ、ギギュッ】という、何か柔らかく膨らみのあるものを無理に踏み潰すような悍ましい音が聞こえるや否や、女の車は左折時に軽くスピンした。そいつはそこで車を停車させて、窓を開けて起きたことを確認したが、何もせずにその場から走り去ったのだ!
おそらく皆さんがお察しになっていると思うが、あの幼い灰色ネコがあの逃走犯の赤い車に轢かれて血に塗れていたのだ!ーー視界の中で、ネコは耐えがたい痛みから逃れようとしていたのか、迫り来る死に抗おうとしていたのか、苦しそうにビョイン、ビョインと飛び跳ねていた……!
あの仔ネコは自らの血飛沫を辺りに巻きながら、助けを求めるような眼差しを、私に向けているように見えた。彼(彼女)は【グギャアッ、グォッ】と何度も悲痛極まりない声の限りを尽くしていたが、今思うと、俗にいう【断末魔の叫び声】というものだったのだろう……。私はまた、そのネコに哀しみと怨念を宿した目でじっと睨みつけられている気がした……。
あまりに惨たらしい現場を目の前に、私は相変わらず混乱していた。
(私、あなたを轢いた犯人じゃないよ……。あなたを動物病院に連れて行こうか……助かってほしいよ……でも、病院はどこだ?)
と、車の中で頼りないことを考えていた。
灰色ネコは最期のジャンプをするとそのまま地面にべちゃっと落ち、目を覆いたくなるほど痛ましい姿に変わり果てていたーーなにせ、彼(彼女)は全身血まみれになっているどころか、眼球までがどろ〜りと地面に流れ落ちた【惨劇の場】そのものと化していたのだから!
ネコの死に場となったのは、営業所のお客様専用スペースだった。
私はすぐさま車から降り、男性の課長さんに指示を求めに走った。
この男性の課長さん、つまりXさんはいわゆる敏腕のシゴデキなのだが、口汚く部下を罵るパワハラ上司として有名だった。女性の部下とは穏やかに話すのだが、他の男性社員にはいつも厳しい態度で接していた。
私がX課長にあの灰色ネコが社外の女性に轢かれてしまったことを話すと、彼は露骨に顔をしかめた。それから憂いの表情を浮かべ、困り果てた顔で、
「僕なら、そんなものよう見られえへんわ。」
と、小さな声で言った。

























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