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ヒトコワ

アクスメントさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

地の底へ
短編 2026/03/02 23:04 86view

世間は卒業シーズン。

今日、棚をいじっていたら卒アルが出てきたので、久々に中を見ると懐かしい思い出が蘇ってくる。

俺は、個人写真のページをよく見た。眺めているのではなく、ただ一人の好きだった人の顔を見続けた。

やっぱ可愛いな。性格も良いし、秀才だった。

普段の何気ない会話にも可愛さがあった。

そうしてだんだん好きになり、俺は勇気を出して告白をした。結果はダメだった。しかし、俺は諦めなかった。あの子の好きな漫画も読んだし、アニメも見てあの子よりもハマっただろう。

アニメが映画になると聞いたときには笑顔で誘った。けれど、冷たく別の友達と行くと言われた。

まさか、それがあの子との最期の会話になるとは思わなかった。

入試が近づいたため、お互いそれどころでは無かったからだ。

なんなら、あの子は勉強のため学校に来ることも減った。だから、会話をするチャンス自体なく、離れてしまった。

俺は第一志望の大学に落ちて浪人した上に滑り止めの大学へ進学した。しかし、卒業式であの子は、有名な国立大学へ進むことを聞いた。

なぜだ。なぜ、俺はここまで惨めな人生なんだ?そして、あの子はこれ以上ない幸せな人生を歩んでいるのだ?

俺は、あの子と同じになるはずなのに。

もしかしたら、あの子が原因なのか?

ならば、俺の人生を不幸にしたから罰を受けるのは当然だろう。

確か、あの子の家はここから2つ先の駅だと聞いたからすぐに行ける距離だ。

考えるより行動しろ。

担任の先生もそう言ってた。あぁこういうことか。目に付いた物を手に取り、家を出た。電車に乗り、2つ先の駅に着いた。

体が覚えていた。あの子の家はこっちだって。自然と歩き始めてどんどん速くなった。

警察とすれ違った。だが、関係ない。俺は今、罰を与えにいくのだから。

後ろから声が聞こえた。お兄さんいいかな?俺ではないはず。それなのに、その声がどんどん近づいてくる。大きくなってくる。肩を叩かれた。その瞬間にハッとしてそこから記憶は、ほぼ無い。

次に気付いたのは知らない建物の中だった。銃刀法違反って警察の人の声が聞こえた。俺のことではないだろう。

そう思っていたが、突然怒鳴られた。

聞いてんのか?!って

俺は、何で違反するような物を持ち歩いてたのかも分からない。

その後のことは良く覚えてないが、流れるように裁判になって、保護観察付きの執行猶予ということになった。

そして、今日から保護観察が無くなるので今日から罰を与えに行ってもいいのだろう。

また、銃刀法違反で止めたのも苦しみを与えるために別の物が良いということなのだろう。

だから、俺の手で。

あの子の首に俺の温もりと怒りを伝えに行った。

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