これは、僕が高校1年生だった頃の話。
日曜日の深夜に、僕は焦る気持ちで学生鞄をひっくり返していた。プリントが無い。明日提出しなければいけない宿題を、机の中に忘れてしまっていたのだと確信した。僕は慌てながらダメだ事とわかりつつも、自転車を飛ばす。その日の深夜。校舎へ侵入した。
校内は、日中の喧騒が嘘のように静かだ。
リノリウムの廊下を、非常灯の真緑色の灯りがうねるように反射している。
廊下の先は、霞がかったように闇に包まれていた。
僕はゆっくりとなんとか壁づたいに、教室の前へとたどり着く。後ろの引き戸にある小窓から、何か、気配を感じて中を見た。
人がいる。
黒い人影が、消灯された教室の真ん中で、机と机に囲まれながら立っていた。じっと首を折り曲げて床を見るようにうつむいて。全く動かないでいる。
暗い教室に目を凝らすと、人影は背を向けて立っているのか?こちらにはまったく気づかない様子だった。
誰だろう?一体こんな夜中にどのような理由で何もせず立っているんだろう?
目を凝らすと、ようやく人影がこっちに気付いたのか。人影は振り向くそぶりを見せた。
振り向く。
背を向ける。
振り向く。背を向ける。まただ。 おかしい。
その動きはビデオテープのように何度も何度もループしていた。
同じ動きを繰り返す中で倍へ、倍へとと動きが加速しているのがわかる。
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