その夜、私の部屋は、笑い声と音楽が狭いリビングをあたためていた。
テーブルには唐揚げ、ポテチ、サラダ、半分空いた缶チューハイ。
アケミがスマホで流す音楽に合わせて、ユウカが適当なダンスをしている。
「ちょっとユウカ、それ何の動き?」
「いや、酔ってきたらこうなるんだよね〜」
「知らんわ」
そんなくだらない話で盛り上がっていると、気づけば深夜になっていた。
そんなとき、アケミが空になった缶を振って言った。
「あれ?お酒、もうなくなっちゃった」
「え、マジ?」
「買いに行く?」
「みんなで行こ!」
夜の空気は冷たく、酔いがほどよく醒める。
近所のコンビニは歩いて数分だ。
駐車場を通り、店の入口に向かって歩いていると、
喫煙所に無言でタバコを吸っているおじさんが見えた。
隣には薄手のカーディガンだけを羽織ったおばさんが、寒さに震えている。
「なんか……寒そう」
「てか、あの格好で外いるのやばくない?」
私たちは目を合わせ、そそくさと店内へ入った。
棚を見ていたユウカが突然叫んだ。
「えっ、これ! 去年の冬の限定スイーツじゃん!」
去年バズって即完売したやつだ。
「うそ、復刻してたの?」
「私もこれ食べてみたかったんだよね!」
私たちはテンションが上がり、カゴに放り込んだ。
酒とつまみを選び、レジへ向かう。
だが、店員がいない。
「すみませーん」
呼んでも返事がない。
そのとき、入口のほうから足音がした。
見ると、さっき外にいたおばさんが入ってきて、
「お待たせしました」
と言いながら愛想よくレジに入った。
私は一瞬だけ2人と顔を見合わせたが、
退勤後に手伝ってるのかな
と思いながら、会計を済ませた。


























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