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呪い・祟り

太田 馨さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

ユカコ
短編 2025/10/06 07:03 2,628view
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思い出すのすら恐ろしい。
大学の同級生の栗谷は、そう言ってから
私にこの話をしてくれました。
栗谷は東北の出身で、何も無い田舎で
小中高と青春を無駄にした。と
嘆くのが口癖でした。そんな彼が、
上京をしてきたのは、田舎に嫌気がさしたから
何も無いから。とか、東京に来たかったから。
とか、そんなのじゃありません

「田舎が、怖くなっちまったんだ」

栗谷は、高校生の頃、特別授業と称され
山奥の古寺に泊まったことがあるそうです。

そこには本当に何も無ければ、
食事に動物性のものも無い、学生が行くには
つまらない場所だったのですが、
非日常感と、ちょっとした旅行気分
そしてなにより、いつものクラスメイトと
宿泊が出来るのが楽しかったそうです。
そんな栗谷たちは、初日に、住職に

「別館は、ユカコが出るから行かないでね」

と言われたそうです。
勿論、「は?」となったらしい。
最初は、身体の弱い奥さんでもいるのかと思ったらしいのですが、
わざわざ”出る”なんて表現しないだろ

ひょっとして、オバケ?
と、なったらしくて、調子乗りのグループを
筆頭に、就寝時間に別館に行ってみようと
栗谷の他に男子5人女子3人ぐらいで
寝室を抜け出したそうです。
別館は、寝室を抜け出して、
広間から一度外に出て、渡り廊下を
渡った先にある、木製の寺とは異なる
コンクリ製の小さな小屋のようで
訪れたのが夜だったこともあってか、
結構な雰囲気があったそうです。
重ための鉄のドアで閉ざされていた別館
そんなドアを、クラスで1番の
DQNだった吉野が勢い任せに開けた。

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