これは俺がまだ20代の頃、
リュックサック一つでヒッチハイクしながら
あちこちを転々としていた時に体験した話です。
その日も日中から夕暮れまで大通りでヒッチハイクしていた。
いつもなら割とすぐに止まってくれるんだけど、
その日はあたりが暗くなり始めるまで捕まらずに
途方に暮れていた。
財布には申し訳程度の小銭が数枚だけ。
少し疲れて近くのバス停のベンチで座ってると、
離れた場所に軽トラが止まった。
これはチャンスとばかりに俺が声をかけると
中には人の良さそうな初老の男性が乗っていた。
事情を説明すると男性は
『うちの村までなら乗せて行ってやるよ』
と言い俺を快く乗せてくれた。
割と田舎の方だったのもあってか
窓から見える消しはどんどん自然豊かな物に変わっていき、
車は山の麓へと入っていく。
男性とたわいない談笑をしていると、不意に軽トラが止まる。
『ここから歩いていかにゃならん、少し遠いが構わんかい?』
と男性が聞くので、俺は少し考えたがすぐに返事をし車を降りた。
ここまで来たんだどうせなら泊めて貰おうと
若さゆえの厚かましさと男性の人のようさに気を許していたんもあり
警戒もせず、山の奥へと歩いていく。
山道なもあって俺なんかは息を切らしていたが、当の男性は
汗一つかかずにスイスイと登っていく。
長年住んでるのだから当然かとも思いましたが、
見た目よりも足取りが軽いのには正直驚きました。
一時間ほど登った先に少し開けた場所があり、
奥には小さな集落がありました。
























思った以上に怖くないです