皆様はいわゆる天文台に行かれたことがあるだろうか?
星を見るための場所ゆえに、空気は綺麗で街明かりも気にならない立地なので、望遠鏡を覗く気のない方々も、一度足を運んでみることをお勧めする。
そこそこの頻度で流れ星が見えたり、普段は存在に気づかないような暗い星が見えたりするだろう。
今回は、そんな天文台に関する噂をご紹介したい。
天文台では、例外無く休館日と望遠鏡の使用不可能時間が定められており、荒天の際なども使用することはできない。
加えて、ごく稀にその他の理由による望遠鏡使用の中止措置がなされることがあり、大抵は機械の不具合として説明される。
しかし、そのうちのいくらかでは職員が事前の予備観測を行った際に「異変」を発見したために、中止措置となったという噂がまことしやかに囁かれている。
以下に私の知る事例のうち3つを記す。
事例①
K県の展望台職員が夜間に望遠鏡の調整を行っていたところ、月面に黒い点を発見。
不具合を疑い館長に報告したところ、翌日の休館がその場で決定した。
職員が理由を尋ねると、館長は「返してると思われないため」であるという。
また、「わからなかったならいい」とも言われたらしい。
事例②
O県の展望台職員が木星の最接近に合わせたイベントのため、望遠鏡のテストを行っていたところ、いつのまにか木星が3つに増加したことを確認。
3つの天体は時折位置を入れ替えつつ、正三角形の位置関係を保っていたという。
報告を受けた館長はすぐさまどこかへ電話し、その後臨時休館を言い渡した。
結局それの意味を伝えられることはなかったが、館長曰く「科学の徒が専門外でしったかぶっちゃいかんだろう」とのこと。
事例③
T県の天文台にてベテラン職員が来訪者からの「望遠鏡を覗いても何も見えない」との苦情に対応。
確かにレンズを覗いても月すら見えることは無く、原因究明のためと説明してドームの封鎖を行った。
別の職員が点検を依頼しようと連絡を取ろうとしたところ、ベテラン職員がそれを制止。
彼曰く、「2〜3時間もすれば飽きてどこかへ行く」とのこと。
実際、その通りの結果となったが、念のため封鎖は継続された。
私はこれらの話を日頃より付き合いのある某天文台の職員から聞いたのだが、その中である一つの疑問が湧き上がった。
稀とはいえそんな異変が発生しているなら、世界中の空を見る目が逃すはずはないと。
それに対する彼の答えは、「僕達は見やすい場所にいる。こちらからも向こうからも。」とのことだった。
上記に類する現象に6回遭遇した者は、天文台の職を辞すことを強く勧告されるという。
なぜなら、それらを「7回以上確認した」という報告は未だあがっていないためである。























何が言いたいの?
7回目はたぶんもう即座に「ダメ」なんだな…。