駅の女性

駅の女性はとてもきれいでときに恐ろしい

ある雨の日、俺は電車から出て駅に降りた。
その時目に入ってきたのがその女性だった。
第一印象は「きれいな女性」「俺の好きなタイプ」「ちょっとお話してみたいなぁ」だった。
その女性はとてもきれいで、誰もが見とれるほどだった。
まぁさすがに話しかけられるわけもなくそのまま家へ帰った。
次の日また駅に降りるとその女性はまたいた。
そして私にこう言ってきた。
「あの〜すみません◯◯パン屋さんの道がわからなくなってしまって。教えてもらえませんか。」
正直俺には願ったり叶ったりだった。
そのパン屋は俺の家の近くで、よく通っているお店だった。
おれはもちろん案内した。女性は「ありがとうございます！」と、何度も言った。
次の日また駅から降りると女性はいなかった。
ただ昨日案内したパン屋さんによってみると女性は店の前に立っていた。

「あの！昨日は本当にありがとうございました！」
どうやら○○パン屋のパンは女性のお父様がずっと食べたかったらしく、とても喜んだそうだ。
そしてお礼にと女性のおごりでカフェをすることになった。
カフェに行って話していくうちにとても気が合うことがわかった。
そして明日一緒にご飯に行く約束を取り付けた。（もちろん今度は俺のおごりで）
そしてそのご飯から女性と頻繁にお茶やご飯を食べに行った。
そしてついに…
「あの！俺ずっとA美さん（女性）のことが好きでした！付き合ってください！」
「…はい。よろしくお願いします」
そして見事付き合ったのだ。
その後付き合った記念に俺等はホテルに行ってやり合った。
その後も関係は続き、そろそろ結婚もしようと考えているときだった。
その日もご飯を食べたあと、ホテルに行った。
シャワーを浴びて、やり合った。

気づくと寝ていたらしく、A美さんは台所にいた。
驚かせようと寝ているふりをしていると
「グサッ」
という音と同時にお腹に激しい痛みが走った。
目を開けてみるとA美さんが包丁で俺のお腹を刺していた。
「どうして」
「まだ気づかない？」
その声と歪んだ顔を見た瞬間俺は思い出した。
「お前まさかB子なのか…」
「そうよ。バレないように顔は変えたけどまさかここまで気づかないとはね」
B子とは3年前に別れた元カノで、さんざんホテルでやり合った結果子供を産ませてしまって、とっさに別れてしまった人だ。
「あなたのことがずっと許せなかった！赤ちゃんができた瞬間すぐに別れを切り出されたからね！だから顔を変えてあなたに近づいた。話が合うのももともと付き合っていたからよ！」
そう言って彼女はもう一回お腹に包丁を刺した。
その瞬間意識が飛んだ。