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不思議体験

槇さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

私を守ってくれた冷たい手
短編 2021/03/14 12:21 1,628view

私は小学二年生の頃、団地から一軒家へ引っ越しをしました。
初めて住む2階建ての家は、私にはお城の様に感じたことを今でも覚えています。
実際は山奥に佇む、こじんまりとした家でした。
2階の奥の部屋を妹と一緒に、子供部屋として使っていました。
ベッドは2段ベッドでしたが、まだ母と寝ていた妹は両親の寝室を使っていたので、夜寝るときは1人でベッドの上の段を使っていました。
車の往来も少なく、街灯もほとんどないので夜になり電気を消すと真っ暗でとても静かでした。その時は自分の部屋が出来たことが嬉しく、特に怖さを感じることはありませんでした。

初めて恐怖を感じたのは、小学校4年生になったばかりのある夜のことです。夢の狭間で目を覚まし、時間を確認しようと電気を付けました。
23:00であることを確認し、もう一度寝ようとしたとき、部屋に違和感を感じました。
音は無く静かでしたが、部屋に何かいるような。当時の私は、怖い話は大好きでしたが霊感は全くなく、幽霊を見たこともありませんでした。

そんな私でも気持ちの悪い、おかしな雰囲気が部屋を包み込んでいることが分かりました。怖くて動けなくなった私は、部屋をぐるりと見渡しました。
家族のいる寝室はすぐ隣です。歩いて数歩のはずが、足が動きませんでした。
声を出すことも出来ず、朝まで持ちこたえようと布団をかぶって目をぎゅっと閉じました。
そのままうとうとしていると、初めての金縛りにあいました。耳元で男性の声が聞こえ、とても怖かったです。そのまま意識をなくすように眠ってしまいました。その日以来、金縛りになることが増えました。初めのうちは恐怖を感じていたものの、解ければ動けるし害はないと慣れてしまい、小学生の私は、金縛りになることを友達に自慢さえしていました。今思えば異常な回数だっと思います。

すっかり金縛り生活にも慣れてきた小学5年生のある日、突然の高熱で学校を休みました。病院へ行き、ベッドで寝ていると金縛りが始まりました。また始まったと思い、体を起こそうと意識を集中させると、正面から「起きるな!!」というおじさんの怒鳴り声が聞こえました。もちろん部屋には私一人です。目の前にいる、と感じた私は怖くなり、いっそう体に力を入れました。

目を開けてはいけない、見てはいけないそう思うのですが、何かが強引に私の目を開けようとしてきます。どうしよう、どうしようと思った時、おでこに冷たい手が当たるのを感じました。目をつむっていながらも、なぜか長い髪の若い女性のきれいな手ということが分かりました。その手はすっと頭に移動し、私に向かって「大丈夫。すぐに治るからね」と言いました。
体は動かないままでしたが、安心した私はそのまま眠りにつきました。

次に目が覚めると、すごい汗をかいていて熱は一気に下がりました。居間にいた母にその話をすると、部屋には誰も入っていないから夢でも見たんじゃないの?と言われてしまいました。
その日以降金縛りに合う事や、変な気配を感じることもなくなりました。
私は高熱で見た夢ではなく、冷たい手のお姉さんが私を助けてくれたんだと思っています。

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コメント(1)
  • いや~幽霊が助けてくれるなんて聞いたこともなかったので私のところにも来てほしいです

    2024/10/24/18:55

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