お気に入りのテレビ番組

｢お気に入りのテレビ番組｣

僕がまだ小さかった頃の話。
4〜5歳くらいだったと思います。
まぁ今思えば変だったのですが、そのテレビ番組が放送されるのは、夜中なんです。
両親が寝静まった頃に、自然に目が覚めて、リビングの部屋まで行くと、テレビが着いている。
始めは父親が消し忘れたのだと思い、リモコンのスイッチを消そうとしたのですが、僕の意識はリモコンからテレビの内容へと切り替わっていました。
それは、いわゆる子供向け番組で、
あまり詳しくは覚えていないのですが、女の子が、主人公の男の子をロボットに乗せて、色々な所を旅するという内容だったと思います。
その番組を見ているうちに、段々と釘付けになり、気づいた時にはアニメは終わっていました。満足した僕はテレビを消し、両親を起こさないよう部屋に戻り、布団に入る。

次の日の夜。
同じ時間に目が覚める。四つん這いで寝室を出てリビングに行くと、昨日と同じようにテレビが着いている。例のテレビ番組がやっていて、僕はテレビの前に座る。
当時は、深夜に1人でテレビを見るということが、なんだか新鮮で、妙にワクワクしていたのを覚えています。テレビを見終わると、僕は無性にトイレに行きたくなり、テレビを消してトイレへと向かいます。用を済ませ、寝室へ戻ろうとリビングの前を通った時、
(あれ？)と思います。
テレビが着いているんです。おかしいなーなんて思いながらも、砂嵐状態のテレビを消し、寝室に戻る。
夜中にテレビ番組を見るようになって、1週間ほどたった頃。幼稚園で突然、当時の僕と同じくらいの女の子に声をかけられます。

「ねぇねぇ。君、変な子に見られてるよ?」

僕は正直、(は？)と思っていました。だって、その子とは一度も話したことはないし、そんな子がいることも知らなかったんです。突然の出来事にぽかんとしていると、その子は続けて、

「9時をすぎたらお化けの時間だから、早く寝た方がいいよ。」

とだけ言って、去っていきました。(どういうこと？)
謎に思いながらも、僕は家へと帰ります。
その日の夜。僕はいつもの時間に目が覚める。ですが、リビングに行きテレビをつけると、いつもの番組はやっていなく、砂嵐状態。
あれ？と思い、チャンネルをコロコロ変えてみますが、あのテレビ番組はやっていない。
少しガッカリしながら、テレビを消し、寝室に戻ろうとした時、

ザザ……ザザッ!!

大きなノイズ音がして、テレビが着く。そして、あのアニメの主人公の男の子が出てくる。
しかし、いつもと雰囲気が違うのと、ただ男の子が俯いているだけの映像が1分ほど流れた時、
バン！ バン！ バン！