黒い封筒
投稿者:rark (32)
僕のおじさんは手紙をとにかく嫌っていて、暑中見舞いなんかもよこさなくていい。と、
とにかく文通嫌い。
気になった僕は、1度だけおじさんに尋ねたことがあったんです。
「なぁ。なんでおじさんは手紙嫌いなん?」
おじさんは少し戸惑ったあげく、「まぁええか」
といい、タバコに火をつける。
おじさん「俺が昔の頃な。当時はフィリピンにいたんだが、金に困ってたから、先輩に仕事紹介して貰ったんだよ。」
僕「どんな?」
おじさん「郵便配達だ。だが普通の配達じゃない。俺が運ぶのは、決まって真っ黒な封筒で、仕事がある日はある場所に呼ばれ、黒スーツのやつに配達先と車のキーを渡される。
んで、その封筒を届けて車を返しに行き、ピン札5枚程の金額を受け取る。まぁ、明らかにあっち系の仕事だな。で、その時黒スーツの男に決まって言われるのは、「絶対に封筒を開けるな」ってことだ。」
僕「開けたん?」
おじさん「まぁな。」
おじさんの話を簡単に言うと、その日もおじさんは、黒い封筒を受け取り、車を走らせていました。ですが、渋滞に巻き込ま、むしゃくしゃしていた時、助手席に置いてあった黒い封筒が目に入ったそうです。
(結局なんなんだ?)そんな些細な好奇心がおじさんを襲います。
おじさんは封を開け、中を除く。
……何も無い。からの封筒を除きながら首を傾げる。
(?何も入ってないのか?)
その時。おじさんの視点がグァンと揺れる。
(まさか!?)おじさんは車のドアをあけ、歩道に転がり落ちる。ゲホッ!ゲホッ!!口からは血が滴り落ちている。
平衡感覚を失い、意識が朦朧とする中、街の人に病院まで連れていってもらったそうです。そこからはこっそり車を帰し、おじさんは早々に日本に帰ったそうです。
おじさん「まぁ、組織間同士のウイルステロかなんかなんだろう。」
「俺はそれすら知らず、封筒を運んでたってわけ。まぁ、そんだけだ。それ以来か。手紙が嫌いなったのは。」
おじさんは、タバコの火を消す。
マジでやばい闇バイトですね。