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呪い・祟り

ぴさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

捨てられた人形
短編 2023/03/26 18:15 3,851view
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すごく貧乏で暮らしに困っていたときに、公園でその人形を拾ったのです。

公園のベンチの裏に打ち捨てられている人形がまるで助けてと叫んでいるように見えて、放っておけませんでした。

私は拾った人形を肌身離さず持つようになり、それで一人で遊んでいたのです。

姉や母から「拾った人形なんか捨てなさい」と気味悪そうに言われて、すごく悲しくなりました。

ふとしたときに、人形と目が合うような気がすると思ったのはいつだったでしょうか。

拾ってしばらく時間がたってからのことだったと思います。

パチッと目があって、人形が笑ったような気がしたのです。

その時の私はそれを怖いなんてちっとも思わず、なんだか人形と心が通じた気がして嬉しくなりました。

たまに人形の表情がコロコロ変わるような気がするのは知っていました。

だけど言わなかったです。

だって前に姉にこっそり人形とよく目が合う気がすると教えたときに、私よりも5歳年上だった姉は驚くよりも気味の悪いものを見るような目で人形を見ました。

そして私に手放すようにと勧めてきたのです。

それを見て人形を手放したくなかった私は絶対に姉や母には言わないで秘密を守ろうと思いました。

それくらいから母の体調が思わしくないようになりました。

それまでも病気になりやすい母でしたが、いつもと違う激しい咳をするようになったのです。

ゲホゲホとよく咳込んで苦しそうでした。

あまりに辛そうなので、私は拾った人形と一緒に「お母さんが治るように」と祈りました。

そしたら翌日には母が咳一つせずに元気になっており、私は人形と目を合わせて喜びました。

でも喜んだのは、ほんの少しの間のことでした。だって代わりに姉が母に似た咳をし始めたからです。

私は気になりつつ、姉の様子を伺っていたのです。

それから数日経った頃、なんとなく目覚めたら、隣に一緒に寝かしていたあの人形がいなくなっていることに気が付きました。

そして隣の姉が唸っていることに気が付いたのです。

不思議に思って姉のほうを伺ったらなぜか首の布団がもっこり膨らんでいたのです。

なんだろうと思って私はその布団を捲りました。

そしたらその原因が分かりました。

姉の首をしっかり絞めつけている人形がそこにいたのです。

私が「あっ」というと人形は驚いたようにこっちを見ました。

まるで人間のように動く人形にさすがの私も言葉が出ませんでした。

姉は青ざめた顔で苦しそうにしており、思わず私は姉を助けるために人形を払いのけました。

人形は「ぎゃあ」というような叫び声をあげて、床に落ちました。

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コメント(5)
  • こわいてすね。

    2023/03/26/21:15
  • いろんな体験談をされているのですね。

    2023/03/27/00:20
  • 人形の話多いね

    2023/03/27/06:29
  • なんとなくチャッキーを想像した

    2023/03/28/11:30
  • 夢にでてきそう。

    2023/04/26/21:30

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