さようなら (加筆修正版)
投稿者:kana (210)
「じゃな、バーイ」
「・・・(-_-)ノシ」
「バーイ」
「・・・(-_-)ノシ」
「・・・って、ちょっ、待てよw」
ボクは今、友達の芳樹(よしき)、数馬(かずま)の三人で、バーガーショップへ来ている。
ボクら三人は、この春から同じ高校に通うクラスメイトだ。
なんとなく気が合い、いつの間にかつるむようになった。
・・・が、最近気になりだしたのが数馬の事だ。
数馬は元々口数の少ないやつなのだが、それにも増しておかしな点がひとつある。
今日はその事について『わからせて』やろうと思い、急遽、学校帰りにバーガーショップへ寄ったのだ。
「数馬さ~、絶対サヨナラーとか挨拶しないよな」
ポテトで数馬を指さしながら芳樹が言う。
「それそれ。おはようは言うのにね」と、ボクも続く。
二人でさんざん『教育的指導』を行っていると、数馬の重い口がようやく開いた。
「いや~分かってはいるんだけどさぁ~・・・オレが別れの言葉を言うとさ、
その人・・・死んじゃうんだよね」
「マジかw」「なんやそれw」二人ほぼ同時にツッコんで笑った。
「うん~・・・最初は田舎のおじいちゃんだったな。オレが幼稚園生くらいの時にはじめて田舎に行って・・・正確には赤ちゃんの頃に行ったことはあるらしいんだけど、物心ついてから初めてって言う意味で・・・で、帰る時に泣きながらおじいちゃんに別れの言葉を何度も言って手を振って・・・そしたらおじいちゃん、その一週間後に亡くなっちゃったんだ・・・」
「それは偶然やろ」「おじいちゃんは元々寿命やったんやろ」また二人同時に突っ込む。
「オレ、すごいショックで・・・絶対自分のせいだって泣いてたんだよね。別れの言葉なんか言うから死んだんだって」
「え~じゃあさじゃあさ、小学校の低学年の時とかってさ、よくクラス全員で先生さようなら~とかやるじゃん。それはどうなのよ」芳樹が質問した。
「したよ。したさ。まだ子供だったし。気を付けてたんだけど、つい言っちゃったことがあるよ」
「ならできるじゃん。サヨナラって言えたんだろ?」
「だーかーらー、その1週間後に先生死んじゃったんだって!」
数馬が少しキレ気味にそう言い放った。
ボクも芳樹も少し驚いて、引いた。
「いや・・・偶然も重なるもんやな」ちょっと怖い話になって来てキョドるボク。
「オレ・・・ホントにそんなことが起こるのか怖くて、ちょっと実験したことがあるんだよね」
kamaです。このお話のつづきがありますので、この後、投稿させていただきます。お楽しみに。
ちなみにですが、このお話は「創作」ではあるのですが、元ネタは自分の体験を元にしています。
子供の頃に、ある事をすると動物たちがかならず死ぬという現象がおこり、悩んだことがあります。
それは大人になってからもおこり、たまたま偶然に当時付き合ってた彼女にそれをしてしまい、彼女は急な熱と吐き気、腹痛で倒れ、病院に担ぎ込まれる事態となりました。ボクは三日三晩看病して、幸いにも死ぬことはなかったのですが、それ以来トラウマとなって気を付けています。
その体験をベースにしたお話ですので、完全な創作・・・というわけでもないんですよ。
で、何をしたらそうなったか、は秘密にしておきます。
読者の皆さんもまだ死にたくはないでしょうから。