足音の正体
投稿者:ぎゅぅっ (11)
これは私が小学生の頃の話です。
私は子供の頃から霊感があり、実際に幽霊が見えることも多々ありました。
私は小学校高学年の時に交通事故に遭い、入院することになりました。
入院中は21時には消灯し、寝るようになっていました。私のベッドは一番廊下側に近い位置でした。
入院中のある日のことです。いつも通り21時に電気が消え、寝る時間となりました。その日私はなかなか寝付けず、ベッドで目を瞑ってなんとか寝ようとしていました。他の患者さんは既に寝ているようでとても静かでした。
そんな中突然廊下から人が走るような足音が聞こえてきたのです。私は咄嗟に目を開け、看護師さんが見回りに来たのだと勝手に考えました。
私のベッドからは起き上がると廊下が見えるようになっていました。起き上がり廊下を見ますが、誰もいません。気のせいかと思い、再び横になって目を閉じます。
するとまた廊下を走る足音が聞こえてきます。やはり勘違いではないと思い、再度起き上がり、廊下を見ると、一瞬白い影が廊下を横切りました。
白い影だったこともあり、白衣を着た看護師さんが横切ったのかと思いましたが、横切るスピードが人とは思えないほど早かったのです。子供ながらにその影が看護師さんではないことは、なんとなく予想ができました。
結局その夜は足音が定期的に鳴り響きました。そんな中でもさすがに眠くなり、うとうとし始めていた時です。
廊下を走る足音が私の病室の前で止まったのです。私は恐る恐る目を開けました。私のベッドの横に誰かがいます。
目を開けたつもりなのですが、視界がぼやけその誰かをはっきりと認識することはできません。ただ白い誰かが私を見ているのはわかりました。
私はこれまでの経験からたぶん幽霊だ。そう直感しました。結局私はそのまま眠りについてしまいました。
翌日夜勤だった看護師さんにその話はせずに昨夜見回りで私のベッドに来たかどうかを聞くと、見回りはしたがベッドの横にずっと立っていたようなことはないと言っていました。
後からその話をしたベテランの看護師さんから聞いた話ですが、その病院に数年前に交通事故に逢った親子が入院していたそうです。子供の意識は一時的に戻ったそうなのですが1週間後に亡くなり、その母親も事故に遭った数週間後に亡くなったそうです。
そして、その子供が意識が戻った際に一時的に入院していたのが私の病室のようでした。
廊下を走る足音は母親の幽霊で、今でも必死に子供を探しているのでしょう。
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