近所の空き家

これは私が高校生の頃の話です。

近所に幽霊が出ると噂のある家がありました。その家は二階建てで空き家になっていました。

その噂が気になっていて、ある日近所の友達数人と肝試しをしようということになりました。

大人たちにバレないように、夏休みの夜こっそりみんなで集まってその家に入りました。

その空き家は埃っぽく、そして家具等も残されたままでした。少し気味は悪かったですが、みんながいたこともあり、中で怖い話をしていました。

みんなが順番に用意していた怖い話を披露しているその時でした。

二階から音楽が流れてきたのです。音楽は鳴り止むことなく流れ続けます。

私たちは怖くなりましたが、二階に上がってみることにしました。みんなで二階にあがると、そこにあったラジカセから音楽が流れていました。みんなで電波を間違えて拾ったのではないかと話しているとき、ひとりがあることに気づいて言いました。

「そのラジカセ電源コード抜けてるから音楽なんて流れるわけない」

私たちは怖くなり慌てて逃げ出しました。

現在は建て壊されており、家の面影はありません。当時のメンバーと会うことはありますが、結局あの日私たちが体験したものがなんだったのかはわからないままです。