奇々怪々 お知らせ

心霊

ぎゅぅっさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

微笑む女の子
短編 2023/03/12 14:19 905view

これは私が小学生の頃の話です。

私は幼い頃から霊感があり、特に子供の頃は実際に幽霊が見えることも多々ありました。今では実際に幽霊を見ることはありませんが、気配を感じたりすることは多々あります。

そんな私が小学生の頃、夏休み前の放課後、学校の中庭で友達と缶蹴りをしていました。その日はとても暑く、友達と汗だくになりながら、遊んでいました。

私が物置の影に隠れていると、見たことのない同い年くらいの女の子が微笑みながら、私のほうを見ていました。私はその子が、この暑い日だというのに、コートを着ていてまるで真冬のような格好をしていたことで、すぐにこの世の人ではないと子供ながらに理解しました。

私は冒頭で話したように霊感があり、このような体験をすることも、これまでに何度もありました。私はその女の子とずっと目が合った状態がしばらく続きました。その女の子はただただ微笑んでこちらを見ているだけでした。

私がいつまで経っても出てこないため、友達が痺れを切らして私をその場まで探しにきました。案の定友達たちにはその女の子は見えていないようでした。

私がその女の子の話をすると、友達たちは「何言ってんの?何もいないじゃん。」と言われました。

その時です、さっきまで微笑んでいた女の子がその言葉を発した友達を睨みつけていたのです。そして一歩ずつその友達に近づいていくのです。私はなにかとても悪い予感がし、慌ててその友達と女の子の間に割って入ったのです。

友達は私が突然動き出したので驚いた様子でした。女の子は先ほどまでの穏やかな表情が嘘かのように、険しい表情でこちらを見ています。

そして、私にははっきり聞こえたのです。女の子が「どけ、あいつは友達じゃない」と言っているのが。

私は必死に友達に謝るように言いました。友達は私がおかしくなったのだと思って、別の友達も含めて、慌てて職員室に先生を呼びに行きました。

その場に私しかいなくなると、その女の子は最初微笑んだ表情に戻り、「一緒にあそぼ」と語りかけてきたのです。

私は子供なりに、その女の子がただ寂しくて友達が欲しかっただけなのだと感じました。遊びたいのに自分の存在が気づいてもらえない、その気持ちを考えるととても悲しくなり、一緒に遊ぼうと思いました。

その時、友達たちが先生を連れて戻ってきました。私がその女の子のほうを振り返ると女の子は消えていました。

その後、友達たちと再び缶蹴りを始めると、さっき睨みつけられていた友達が段差に引っかかり、こけて骨折したのです。

その女の子と関係があったかは不明ですが、それ以来その女の子は見ていません。

1/1
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。