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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

こたつの中に
短編 2023/02/20 18:08 816view

私は幼少時代の寒くてたまらないときに、こたつでぬくぬくするのが大好きでした。

冬になるとすぐに出してほしいと親にせがんだし、そこでごろごろするのが日課でした。

そのときもいつものようにこたつに入り、温かくなるのを待っていました。

でもしばらく時間が経っても一向に体が温まらないのです。

おかしいなと思って、こたつがついているか中を確認したのです。

いつもなら赤く光が灯るはずで、それを確認するつもりでした。

そして中を見て私はぞっとしました。

だって私がこたつの中を見たら、私の太ももから足にかけて、知らない女の人がへばりついていたからでした。

「ぎゃー」と叫んで、私はこたつを飛び出しました。

本当に怖すぎて、体は寒いのに汗だらだらでした。

しばらく茫然自失状態になり、気づいた兄に「何してんの?」と不審そうに聞かれたのです。

私の話を聞いた兄がおそるおそるこたつをめくったけど、そのときにはもうそこには誰もいませんでした。

家族は今でも私が夢を見たと思っているみたいです。

こたつでうたたねでもしていたのだと言われました。

でも私は確かに見たのです。

その女の顔は見えなかったけど、髪の長い女性でした。

私は大人になって家族ができても、こたつは使っていません。

あの日のことを思い出すと怖くなり、私が嫌がるからです。

我が家はこたつを一度も使ったことがありませんが、その理由をいつか子供たちに話したいと思っています。

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