20年前の記憶 ー 第一話・ベランダの声 ー
投稿者:kana (210)
これは『Sさん』という方から、もう20年も前に伺った実体験です。
「深夜1時以降に、声が通って行くんです・・・」
そう語るSさん。
「自分の部屋に・・・ではなく、ベランダを声が通って行くんです!」
Sさんの住むマンションのベランダは、前にある一般の家との境として
ベランダの格子と前の家との塀との間に、コンクリで1~2mほどの通り道があり、
そこはたまに猫が通ったり、清掃業者の人が掃除しに来たりするくらいの
ちょっとした通路になっているそうです。
そこを深夜2時くらいになると、1号室の方からゆっくりと声がやってくる、と言うのです。
「おーい、どこいったのー」とおばさんの声で、誰かの名前を呼んでるようなんですが、
それが1号室からSさんのいる11号室を通り12号室、そして塀を通りすぎて聞こえなくなるというのです。
「夏の頃からあったんですが、初めは猫かなにかを探しているんだろうと思っていたんですが・・・それがこの冬の寒い時期にも続いているうえに、やはり深夜とはいえ窓から覗かれたら溜まらないから、一回注意しようと待ってたんですよ・・・」
困惑した表情で語るSさん。
「で、声が聞こえたと思ってウチのベランダの前に来るのを待ってたんです。・・・だけど声だけが通りすぎていった・・・」
いくら夜とはいえ、部屋に明かりをつけていれば向かいの塀が明るくなるくらい光は洩れるので見逃すはずはない。なのに、声だけが通りすぎていった・・・。
「その時は友人と俺の母親も来ていたので、共に見ていたんですが、やはり結果は同じでした。今でも気がつくと声が通りすぎていきます。そういう時って、もう窓は見たくないです・・・。
なんだかでっかい顔とかがへばりついてたらすごくイヤだし・・・なので厚いカーテン買いました。
「う~・・・なんでいるんだろう・・・」
その後Sさん、引っ越しをしたらしいんですが・・・そのマンション、まだあるそうですよ。
そのマンションって関東地方に存在するってこと? 今後時折で知人の体験談を投稿お待ちします。
↑kamaです。コメントありがとうございます。
Sさんはどこにあるマンション・・・というところまでは教えてくれませんでしたね。
あなたの近くにあるのかもしれませんよ・・・。