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呪い・祟り

ねこきちさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

血まみれ人形
短編 2022/12/22 10:19 2,909view
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小学校3年生の夏以来、今に至るまで頭にこびりついて忘れられない言葉がある。
「血まみれ人形お墓で生き埋め」というフレーズだ。
当時、保育園の頃から仲良くしていたA子という友人が、転校することになった。
A子は見た目は健康そうな普通の児童に見えたが、実は重い病気のため、療養に専念するために遠い所へ家族と引っ越すということだった。

学校でお別れ会をやった帰り道、私はいつものようにA子と二人で帰宅した。
普段は他愛のないおしゃべりをしながら帰るのが恒例の下校時間だが、その日はぎこちなくお互いの歩調に合わせるように、二人ともうつむいたまま黙っていた。
私の家の前に着いた時、突然A子が「あのさ」と言った。

自分は長生きできないかも知れない、でもあなたはずっと友達でいてくれる?

そういった意味の言葉をA子にかけられ、私は目頭が熱くなった。

勿論、ずっと友達だと言った。
するとA子は私の手を握り「血まみれ人形お墓で生き埋め。これ、私たちの合言葉ね。忘れちゃだめだからね」と言った。
私は「血まみれ人形、お墓で、生き埋め」と復唱した。縁起の悪い奇妙な言葉だが、A子の真剣な眼差しに促されるように、私は、分かった。この言葉は絶対に忘れないと誓った。
そしてそれが、生きているA子との最後の対面となった。

その後A子とは連絡を取り合っていたが、私が高校生になったあたりから連絡の頻度は少なくなり、年に数回メールをし合う程度になっていった。

A子との別れから10年経った夏の日、実家の母から電話があった。
A子のお母さんから、A子が亡くなったとの連絡があったとのことだった。亡くなったのは1週間ほど前で、葬儀は身内だけで済ませたという。
その話を聞いた途端、私はA子の死にショックを受けるより先に、例の「血まみれ人形お墓で生き埋め」という言葉が脳裏をよぎった。
この10年間、A子と疎遠になってからもずっと何かにつけてフラッシュバックの様に思い浮かび、忘れることができなかった言葉だ。

今更ながら、A子が別れの前に何故こんな言葉を私に覚えさせたのか気になり、私はこの言葉をインターネットで検索してみた。ヒットしたのは某SNSのコミュニティだった。
そこは都市伝説や噂に関するコミュニティで、「血まみれ人形」で検索したところ

血まみれ人形お墓で生き埋めって言葉を二十歳までに忘れないと若くして死んじゃうんだって

という書き込みがあった。
私はゾッとした。どうしてこんな呪いみたいなものを、A子は私に…とショックを受けた。
そして、何よりも私が動揺したのは、二十歳になるまでもう一年しかないことなのだ。

こんな話を、知人が語ってくれました。
知人は二十歳の夏、亡くなりました。死因は分かりません。もう十年前の話です。

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コメント(2)
  • 所謂ムラサキカガミ系の呪詛ですね。
    友人を道連れにしようとしたのか…。

    2022/12/22/11:05
  • A子とやらはどこでその呪いを知り得たのか?

    2022/12/22/21:34

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