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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

視てしまった
短編 2022/12/01 17:02 840view

私は健康を保つために毎日のように家の近くをジョギングしていました。

そのときによく通るコースがあり、そしてそのコースの途中、ある公園を通過するときに、よく見かける人がいたのです。

それはベンチに座る老婆でした。

老婆はいつもベンチに腰掛けて、じっと公園にある大きな木を見上げているようでした。

最初は近所の人だと思っていたのですが、一つおかしいことがあるのです。

その老婆にはよく見ると片足がないのです。

片足の先がなくなっていて、そんなところに一人で来られる人じゃなかったのです。

私がそれに気づいて、周りの人に確認してみたら、どうやら老婆は誰にも見えていないみたいでした。

私はそれを知ってからなるべく口には出さないようにしたし、老婆を見ても見て見ぬふりをするようになりました。

けれどある日私がいつものようにジョギングしていると、いつものベンチに誰もいなかったのです。

私はびっくりして、思わず足を止めました。きょろきょろ辺りを探していたら、そしたら後ろから「見た~?」と声をかけられたのです。

振り向いたらそこには片足がない老婆が地面に座って私を見上げているところでした。

やばいと思った私は、持っていたペットボトルをぐびりと飲み干し、「はぁ~、今日は暑いなー」と老婆の行動に動揺して、火照って汗をかいた自分の顔をタオルで拭いました。

そして見なかった振りをして、ジョギングを再開したのです。

老婆は不審そうな顔をしたように見えましたが、それ以上見えないフリをしている私に付いてくることはなかったです。

後日もう一度公園を通りかかったのですが、あれから老婆は見ていません。

どうやら居場所を変えたみたいです。

今はあれがどこにいるかは分かりませんが、あの日無事で良かったと思っています。

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関連タグ: #事故物件#声
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