取り出し口のもう一本
投稿者:プラム (25)
短編
2022/10/02
02:43
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私の夫がまだ小学生の時に家の近くに駄菓子屋さんがあった。
その駄菓子屋さんは年老いたおばあさんが一人で店を切り盛りしていた。
夫の家の近くにはそこの駄菓子屋さんしかやっておらず、近所の子供たちはみんなこぞってその駄菓子屋に遊びに来ていたそうだ。
夫はある日いつも通り駄菓子屋に買い物をしに行った。
駄菓子屋には外に自動販売機がある。
そこで飲み物を買おうとしていたら、若いお兄さんに話しかけられた。
「取り出し口の所に飲み物あるよ。君のでしょ?」
確かに取り出し口を見てみると、飲み物があった。
夫は自分が買ってない飲み物がなぜあるのか不思議に思い、手に取ってみる。
でもその飲み物に嫌な感じを受けた。
飲まずに放置した。
いつの間にか話しかけたお兄さんはいなくなっていた。
その後こんな話を聞いた。
1990年代、ある事件が日本を震撼させた。
ある男性が自動販売機で飲み物を買った。
すると、取り出し口にもう一本飲み物があった。
男性は思った(誰かの取り忘れだな。ラッキー、飲もう。)
その飲み物を取り出し口からだして飲んだ男性はほどなくして亡くなった。
それを皮切りに日本中で非常によく似た事件が多発した。
この事件は未だに犯人が捕まっておらず、動機も犯行手口も犯行人数も不明のままだ。
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