これから話すのは俺のおじさんの話
俺が帰省で故郷に戻っていた時、おじさんに話を聞いてくれないかと言われたんだ
俺のおじさんは60を過ぎていて、ここ最近物忘れが多くなって困っていた
たとえば、家の2階にいって本を取ってこようと階段を登って、登り切ったところで何をしに2階に来たのか忘れてしまう
まあ、誰もが経験したことあるよな
ふと忘れてしまうってことはさ
ただ、おじさんはそれがしょっちゅうでかなり困っていた
そこでおじさんはメモを家のあちこちに置いておくことにした
玄関にリビングにキッチンに階段前にトイレに
とにかくあちこちにだ
それで何かしようとしたら、すぐにメモをしてそれをポケットに入れておくことにした
そうしたら、おじさんの悩みはだいぶ改善された
何かをしにここに来たはずと思ったら、メモを見る
そうすれば、そこにはその理由がちゃんと書いてある
断片的なメモでも、それを見れば何を言わんとしているかわかるものだ
これでもう何をしようとしていたか忘れて悩むことはない
と思っていたのだが、ここ最近、新しい悩みができたのだという
おじさんはそこでメモを俺の前に出した
数枚のメモ用紙
そこには汚い字でこう書かれていた
「今日こそやらないと」
「いつまでも放置できない」
「いい加減やるんだ」
「大事なことだ。やらないといけない」
「なんだこれ?」
変なメモだった
普通、忘れないようにするためのメモなら、「○○の本を取ってくる」とか「明日のために洋服を用意する」とか
そういう具体的なメモのはずだ
だが、俺の目の前に出されたメモはどれも具体的じゃないというか、そのやるべきことに対する感想に見えた
怖いけどヒトコワなのか??
コメントありがとうございます!
確かにヒトコワではなかったですね
失礼致しました
もう一人の自分?はたまた得体のしれないなにか?怖かった!