謎の泣き声に眠れない日々が続く
投稿者:ぷーさん (30)
電気を暗くすると人の気配がする家。
その日も電気を消すと、玄関の方から人の気配がしてきたのです。
「なんだか嫌な気配だな」と思いつつ、玄関の方へと行けば、ミシッミシッと床が鳴る音がしました。
まるで、人が歩いているようです。
「誰かいるのかな?」と思っていたら、トイレのドアがキーッと不気味な音をたててながらゆっくりと開くではないですか。
トイレに行って確かめましたが、そこには誰もいません。
誰かが階段を下りてくればミシッミシッと音がしてくるはずですが、まったくしません。
「なんだかここにいてはいけない気がする」と思ったので、2階に行くことにしました。
すると、シンクの方からガタガタという音が聞こえてきます。
「こんどはなに?!」
何か物が倒れたような、落ちたような音が気になり、怖いというのに、シンクの方へと向かってしまったのです。
「誰かいるの?!」とシンクの方へ問いかける私。
しかし、誰もいません。
「あ、当たり前だよね」
とキッチンを後にしようとすると、後ろから「フフフフフッ」とかすれたような声が聞こえてきます。
「は?!やだっ」
私は一目散に自分の部屋へと階段を駆け上がりました。
そして、ドアを閉めて、ベッドの中に潜り込んだのです。
すると、またあの「フフフフフッ」という声が聞こえてきます。
よく耳をすましてみれば、どうも女性の声のようです。
「フフフフッ」
その声は笑っているようです。
でも、よく聞いてみれば、その声は泣き声のように聞こえます。
とても悲しいようなその泣き声は、何十分と続きました。
自分の部屋に戻り、ベッドの中にいるため、私は落ち着きを取り戻しています。
その泣き声はドアの向こう側からするのですが、部屋の中には入ってこないように感じました。
「何かあって、亡くなった女性なのかな」と感じます。
泣き声はその日だけだろうな。
そう勝手に感じた私でしたが、泣き声は次の日も、次の日も続きました。
自分に何かを訴えたいのかなとも感じるその泣き声に、困って眠れない日々が続きました。
でも、いずれ、その声は聞こえなくなるだろうと思い、対処はしませんでした。
四十九日を過ぎたのかもね。