母の空中浮遊

まだ娘が小さかったころの話です。

その日、私は娘と一緒に実家に行き、夜は母と娘と3人で同じ部屋で寝ました。

夜中、私は起きてしまいトイレを済ませ、階段を登ろうとした時、「ドスン！」と2階から岩が床に落ちるような音がしたのです。
びっくりして、階段を駆け上がり寝室に入ろうとすると、隣の部屋で寝ていた父も起きてきて、一緒に部屋に入りました。

母の隣で寝ていた娘がきょとんとしています。母は腰と背中を抑え痛がっていました。
「すごい音がしたよ！」と言うと、その音の原因を話してくれました。

宇宙を彷徨っている夢を見ており、２つの惑星の距離が徐々に縮まり、衝突しそうになった時、「危ない！」と叫んだ瞬間に目が覚め、その時身体が宙に浮いていたそうです。
パニックになり、宙に浮いたまま、隣で寝ている娘を呼んだ瞬間、下にドスンと落ちたとのことでした。

私も父も疑いましたが、娘が母が浮いている姿を目撃していたのです。
娘は「目が覚めた瞬間、おばあちゃんが宙に浮いていて一瞬で落ちてきたよ。」と話しました。

私は不思議で仕方ありませんでした。
母は、「夢じゃなく本当に宇宙に行ったのかも。惑星がぶつかる瞬間に地球に戻されたんだと思う。」と今でも話しています。