異常に電話をかけてくるAちゃんのその後

私が中学１年生の頃の話です。

当時は携帯電話もなく、自宅の電話で友達と連絡していました。
どうしても緊急で伝えたいこと、明日会う日のことなど最低限しか電話を使う機会はなく、基本的に学校で会った時に話をしていました。

しかし、私の友人Aちゃんは異常なぐらい連絡をしてきます。
放課後、土日休みにかけてきては切り、数秒後にかけてきては切り。
居留守を使うと無限にかかってきますし、外出して帰った時の履歴は１００件を超えます。

これには私の親も迷惑しており、私自身も迷惑していました。
電話に出ても話す内容は学校での雑談の続きなど、いつでもできるような話題のみ。
一度出れば数時間は切らせてくれませんし、切ると数秒後にまたかかってきます。

厄介だなと感じていたAちゃんでしたが、２年生に進級後、喧嘩して疎遠になりました。
しばらくしてAちゃんが学校に来なくなったと先生から聞かされ、何度かAちゃんの教室に行きましたが「今日も来てないよ」と言われるだけ。

ためらいもありましたが、電話をかけたところ留守番電話サービスの音声が流れるだけ。
Aちゃんの身に何があったのか知らないまま中学を卒業。

高校になって噂で聞いたのですが、Aちゃんは私と喧嘩別れした後親と揉めたそうです。
長時間の電話にAちゃんの親が起こり、口論になった末家を飛び出し、消息不明とのこと。

現在もAちゃんの居場所は分かっておらず、生きているのかも分かりません。

よっぽど電話が好きだったAちゃん。
今でも彼女がどこかからかけてくるのではという恐怖と、鳴り続けて止まらなかった電話を思い出します。

あの異常なほどの電話履歴と、電話が原因で親と喧嘩して消息不明になったことを考えれば本当に彼女は異常だったんだなと思います。