彼の第一印象はとっつきにくいの一言に尽きた…
でも、コツコツと時間を共有していくといつの間にかそんな印象は忘れるほど打ち解けてくれるようになった。
正月も明け、新年会で顔を合わせた時に、彼がこんな話をし出した…
小学校の三年の正月。
彼は暇すぎて一人広場にいた。
お年玉が貰える環境になかった彼は、ベンチで買ったばかりのプラモデルを広げる二人組の子供を羨ましく眺めていた。
せめてプラモデルを買えるお年玉があったら…
そんな妄想を虚しくするしかなかった…
「ぼく…」
いつの間にか近くにおばあさんがいた。
腰も曲がっていないスラッとした品のあるおばあさんだった。
「ぼくはお年玉で何も買わないのかな?」
彼は唇を噛み締めて黙っていた。
余計なお世話だと思った。
するとその胸の内を見透かされたかのように、
「ごめんなさいね…」と、謝られた。
「実はね、おばあちゃんの孫が今年は遊びに来られなくなってね…お年玉もまだ誰にもあげてないの…もし良かったら孫の代わりにもらってくれるかい?…」
「…!」
まさに神様に祈りが通じたように思った。
でも、だからといってはいくださいとは言いにくい…
彼はしばらく躊躇っていた。
「あんまりたくさんあげるとぼくのお母さんに叱られちゃうから中身は千円で少ないけど…でもあの子らみたいにプラモデルのひとつくらいは買えるでしょ?親御さんにはお年玉をもらったとは言わないで、プレゼントをもらったって言いなさい。お金貰うよりは叱られないはずから…」
彼はすっかり舞い上がってしまった。
手渡されたお年玉を受け取ると、ろくにお礼を言えないままおばあさんは去っていった…
彼はお年玉袋を握りしめ商店街のオモチャ屋に走った!
正月はオモチャ屋の書き入れ時だ。
狭い店内は子供らが何人もいた。
彼はプラモデルが積まれた一角に行き、買うものを吟味した。
千円あれば大抵のものは買えそうだった。
結局一番シールがたくさん入ったラリー車を選んだ。
それでも二百円は余るのだ。
彼は箱を抱えてレジに向かった。























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