これは昔在籍していたサークルの後輩:Aから聞いた話です。
Aにはいわゆる「見える体質」を自称する友人(以下Q)がおり、人とすれ違った際には「あの人憑かれてる!」なんて話されることもあったらしいです。
「正直うざったかったすけど、まあそれに目をつぶれば普通にいい子だったんで付き合ってました。」
ある日、QとAの2人で共通の友人:Bのアパートを訪れる機会がありました。
地方大学の下宿ということもあり、Bのアパートは山の入り口のようなところに建っていて、建物自体はきれいなものの少し不気味な雰囲気が漂っていました。
そのせいか、アパートに着くなりQは「ここなんか嫌な感じがする…」「負のオーラがたまってる」などとどこかで聞いたようなことを言い初めました。Aはめんどくせえと思いつつ、いつも通りにいなしながらBの部屋を訪れました。
Bに案内され部屋に入ると、Qは世間話もそこそこに「このアパートはヤバい」という話をし始めました。
Aは内心呆れていたそうですが、Bは割とそのような話を信じてしまう性格だったようで、次第に不安を表し始めました。
「この部屋は霊道が通っている」などとも言い始め、ますますヒートアップするQを見かねたAは「常識的にそんなものはない」「証拠の1つもないでしょ」と冷静になるよう話の舵を取りました。
結果、Qは話すのを止めました。
その後は不安がるBをとにかくなだめるために残りの時間を使ったそうです。
しかし、アパートを出た後もQは「やっぱりあそこには霊道が…」とぶつぶつ言い続けました。
「さすがにキモかったんで、二度とBにその話しないことだけ約束させました。」
Aは陳腐な妄想でやみくもに他人を不安したQの態度に本気で嫌悪を覚えたため、その日以降Qとは必要最低限でしか関わらないようにしたそうです。
しばらくたった後、Aは再びBと会いました。
Bはあの日以来、自分の部屋が怖くなってしまい、困っていたそうです。
というのも、Qは約束を破り、Bに「あの部屋は霊道が通ってるから出た方がいい」という旨のアドバイスを何度もしていたようで、初めは半信半疑だったBも次第に「幽霊がいるかも」と本気で思い始めてしまったそうです。
さすがに見過ごせないと感じたAは、Qに会うことにしました。
Bに言った発言は全て妄想だといわせて、Bの不安を取り除こうとしたのです。
「結果から言えば、そいつ認めなかったんです」
「見えてないだけでいるんだー!って、まあ意地になってるとこもあったとは思いますけど」
「しまいには霊能者を呼べばわかる、金なら出すから、とか言い出して、話通じなかったっす」
結局Bには盛り塩などの簡単な霊対策をさせて安心させつつ、Qの話を忘れるまで待つことにしたそうです。Qと接触する機会も絶たせました。
以来Aも連絡先も消してQとは会っていないそうです。
「先輩もこういう人間には気を付けた方がいいっすよ」
「幽霊よりめんどくさい上に、幽霊と違って実在しますから」

























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