権現ダムで一度死んだ祖父
投稿者:ジュリー (62)
短編
2022/07/18
17:54
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姫路にある親戚宅へ家族で遊びに行き、その帰り道に通ったのは兵庫県の権現ダムです。
地元でも有名な心霊スポットだと母が昔から言っており、実際にその前を通ったのはその時が初めてでした。
辺りは夜で暗く、静まり返っており、夏風が涼しいと感じるような場所でした。
その時、急に後部座席に乗っていた祖父が青白い顔になり、息をしなくなりました。
慌てて車を停め、祖父に呼びかけましたが反応がありません。
救急車を呼んだはずですが、10分経っても20分経っても来ない。
「もう駄目じゃないか。」と言いつつも息の止まった祖父を車でそのまま連れ帰ることにしました。
帰宅した頃には急に眠りから覚めたかのように祖父が普段通り動きました。
「何だったんだ?」「30分息が止まっていたんだぞ。何で普通に動けるんだ?」
家族の動揺を余所に「ただ寝ていただけだ。」と笑う祖父の姿。
ただ、その時の祖父は寝ていただけというよりも、完全に息の止まった遺体のようでした。
あれから祖父は5年程生き、老衰で亡くなりました。
あの日以来、怖くなって権現ダムの前を通ったことは一度もありません。
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ダムは昼間に見に行こうと思った。