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不思議体験

ココカラさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

邪悪に笑う子供の正体は…
短編 2021/11/14 15:16 2,387view
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これは私が実際にみた夢の話です。そしてその場所は実在しています。

自宅の裏にある神社の道沿いに、誰のものかわからないお墓がポツンとあります。
高さ約130cm、長めの石をそのまま縦にした簡素なもので、表は「南無阿弥陀仏」、
横面は「功徳施主○○○」と名前らしきものが書かれていますが全ては読み取れません。
文字の意味と神社の傍ということから、
「きっと神社を建てる時にすごく頑張った人なんだろう」
私はそう思っていました。
近所の人に尋ねても誰もわからず、お供え物もお参りにくる人もいません。
なんとなくかわいそうだなと感じて、お墓の前を通る時はいつも
「こんにちはー」「こんばんはー」と軽く会釈して挨拶しながら通っていました。

ある晩、私は夢をみました。

私は自宅の庭に立っていて、前の道を小さな影が往復しています。
「トトト」と走り、また「トトト」と戻ってきてまたどこかに走る。
場所はすぐに分かりました。例のお墓です。
小さな影は子どもでした。

お墓の前でおじぎをしながら手を合わせ、私の家の前にきて、
またお墓の前でおじぎをして手を合わせ、私の家の前にくる。

おかっぱの黒髪頭、赤い水干を着ていて、見た目は神社のお祭などで見かけるお稚児さんのよう。
その子が私の家とそのお墓を何度も何度も往復しているんです。
子どもが再びお墓の前へと移動した時に私はあとを追いかけました。
「なにをしているの?」と尋ねたい、子どもと話してみたい。
そう考えていたのを夢の中でもハッキリ覚えています。

子どもがお墓におじぎして、手をあわせた時…
声をかけようとした瞬間にその子が振り向きました。

「ニタァ」

目は細くまるで狐のようで、口は大きく横に開き不気味な笑み。
「あ!!ダメだ!」
その瞬間に目が覚めました。
寝間着は汗でぐっしょり。時計をみるとまさかの深夜3時ぴったり。

お墓の「功徳」の文字でお墓に対して良い印象をもっていた
私のイメージはその夢で打ち砕かれました。
夢の中の子どもが水干を着ていた事から神様に仕えるナニカや、
もしかしたら神様そのもののようなものかもしれません。
でも子どもの狐のような顔に「ニタァ」とした笑みは邪悪そのもので…

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