生きている人の強さ「カミサマの言っていた人」
投稿者:gray (9)
これは私がまだ実家で住んでいた頃の話です。
そのときの私は高校生くらいだったのですが、自宅の3階に部屋があり、寝るときにはその部屋で寝ていました。
部屋には窓が2つあり、どちらもしっかりとカーテンは閉めていました。
というより、学校から帰ってきて勉強は違う部屋でしていたので、その3階の部屋は「寝るためだけの場所」でカーテンは閉めたまま触らないと言う状態でした。
また両親は共働きで、親が部屋に上がってくるということもほとんどありません。
今までは自宅の立地環境とか考えたこともありませんが、わりと近いところに墓地があったり人が亡くなったことのある川や山が目の前にありました。
しかしそれを怖いと思ったことはありません。
当時の私はあまりオカルトっぽいことには関心がなかったからです。
対して弟はその頃、そういった番組などにとてもハマっていました。
そんな日常を送っているときです。
ある夏の日、寝ていて夜中にふと目が覚めると、カラダが全く動きませんでした。
“もしかして、金縛り?!”とすぐに思い至って最初は怖くて怖くてギュッと目を閉じて何も見ないように、自分の気のせいだと思うように無理やりして気づくと朝でした。
そのことは言葉にすると良くない気がして、それに思春期でしたし親にも兄弟にも言いませんでした。
しかしそれが何日も続くようになりました。
人間は不思議なもので、そんなことにもだんだんと慣れてきて“あぁ、また目が覚めちゃった。・・・やっぱり動けないかぁ”くらいの感じでそれほど怖くもなくなってしまいました。
どうせ目を閉じればまたすぐに寝てしまって、朝になってるし、と。
そしてその日はやってきました。
私はいつもと同じように夜11時くらいにベッドに入って、就寝しました。
どれくらい時間が経ったかは分かりませんが、いつものようにふっと目が覚めました。
すぐに“今日もかぁ、めんどくさいなぁ”と思いました。
でもその日はなんだかいつもとは違う感じが急に襲ってきて、心臓の音が聞こえてくるような冷や汗が出てくるような感じがしました。
私は自分を落ち着かせるためにあれこれと、頭の中で考えました。
“きっとクーラーが寒すぎるんだ”
“でもクーラーのリモコンは電源しか触らないから温度設定なんて変わってるわけがない“
よし!早くまた寝てしまおう、いつものように・・・。
しかしその日は動けないまま寝つけません。
じゃあいつもと違うのは、なんだろ?
パジャマもいつものやつだし・・・そう考えながら思いついたのは、いつもは仰向けの状態で寝ているのに、その日は目が覚めたとき横向きの状態だったということくらいです。
私はそれに気がつくと、全てをそのせいにしようと思いました。
横向きのせいでカラダが痺れているのかもしれない。
カラダがキツいせいで心臓がドクドクしているんだろう、と。
生霊は死霊より怖いとよく言われますよね、ほんとその通りだと思います。