不気味すぎるログハウス
投稿者:こはる (15)
大学入学してはじめてのゴールデンウィークに、1年次と3年次の交流会を兼ねて、1泊2日の研修を行いました。
研修といっても、ペンションを貸し切って飲むだけのものでした。森の中に30棟くらいのペンションが並んでいるところで、BBQをする感じです。1つの棟に10人しか泊まれないので、4チームに分かれ、4棟貸し切って、そのうち1つの棟の大きな庭でBBQをすることになりました。
ペンション同士は離れて点在しているため、隣のペンションまで歩いて3分ほどかかります。まずは各自荷物を置いてから、再度大きな庭のあるペンションに集合するように言われました。
私の班には高校から仲良しの友人がいました。彼女は霊感が強く、幽霊が出るといって、高校生の時住んでいた寮を退寮するほどでした。
泊まるペンションに荷物を置いて、再び戻ろうとすると、「集合時間まで余裕あるから少し散歩しよう」と先輩が言いました。
私と友人は先輩たちの後に続いて、庭のあるペンションとは反対方向に歩き始めました。ぽつぽつとコテージがある森の中は、日暮れということもあり、歩き進めるにつれて暗くなってきました。
私は徐々に息苦しくさを感じ、歩くペースが遅くなりました。運動不足だなあと思っていましたが、ふと横を見ると私の友人も額に汗をかいて黙々と歩いていました。先輩たちとの差も広がり、2.3歩先だった先輩の背中は10メートルほど離れていました。
15分ほど歩いていると、明らかに変だという感じがしました。水中を歩いているような身体の重たさと、圧迫感を感じるのです。先輩たちは何か話しながら遠くを歩いていました。横には私の友人がいて、彼女もまた息苦しそうにしていました。平坦な道なのに不思議に思っていました。
すると、道の途中にログハウスがありました。二階建てで、誰も泊まっている様子はありません。
何故だか分かりませんが、私はとても怖くなりました。このログハウスの横を通るのが嫌でたまらなかったのです。全身鳥肌が立ち、直視する事も出来ませんでした。
視界の横にあるこのログハウスが怖くて、友人の方を見ました。すると彼女は何も言わずに私の手を掴んでいました。私が一言「無理かも」と言うと、彼女も「そうだね」と言いました。私たちはそこから一歩も動けなくなりました。金縛りではありません。ログハウスの前を通るのが怖かったのです。
先を歩いていた先輩が異変に気づき遠くから声をかけてくれましたが、答えられずにいました。結局先輩たちも迷子になったので私たちは道を引き返すことになりました。
帰り道には次第に体調も戻り、無事に集合場所へと着きました。
友人にあの時何か見たかと聞いたら、「ログハウスの1階の窓から女性が手招きしていた」と言っていました。私たちはあの女性に誘われて来てしまったのかなと思いました。
この友人とはその後も同じタイミングで怪異を体験することがしばしありました。私は見えませんが、彼女には見えているのだと思うと、見えなくて本当によかったなと思います。
怖かったです!見えなくて良かったです。