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心霊

ミハエルさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

階段を駆け上がる音の正体
短編 2021/11/02 17:58 1,445view
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私が小学校2年生の時に引っ越した一軒家のお話です。
その一軒家は親戚が土地を所有していたらしく住み手がいなため家賃を安くするという条件でわたしたち家族がその家に住む事になりました。

家の作りは家の前に車が3台くらいは駐められそうなスペースがあり、玄関は引き戸。
玄関は広く右の方にトイレの扉がありその隣には二階に続く階段がありその左側にリビングへ続く廊下。
一階にはリビングと台所風呂と6畳ほどの洋室、二階には12畳ほどありそうな広い洋室と5畳ほどの洋室。
ここに母と私含む兄弟の4人で暮らしていました。

お庭が広くて紅葉の木がありよく家庭菜園やガーデニングの手伝いをして楽しく過ごしていた思い出が多い家なのですが、その中にも不思議な体験がありました。

二階の大きな部屋はみんなで川の字になって寝る寝室だったのですが、夜寝ようと目をつむると枕越しに何となくテレビの音が聞こえてきて「あれ?テレビを消し忘れたのかな?」と思いよく耳を澄ませて見るとシーンと何の音も聞こえず寝ぼけていたのかな?と思うことが何度かありました。

そんなある日おばあちゃんが泊まりに来ていて夕飯を食べているときに「今日玄関の扉が開く音がしたからお母さんが帰ってきたと思ったんだけど誰もいなくて…誰かいたずらか回覧板だったのかな?」と話していました。
私たち家族も何かの勘違いかな?ということで一段落していたのですが、あるとき母と二人きりでテレビを見ていたときに「上で寝てたら下からテレビみたいな音が聞こえるんだけど耳を澄ますと何も聞こえなくなるんだよね、テレビのつけっぱなしかと思って確認しに行くこともあるんだけどちゃんと消えてるし」と言われ私も同じ経験があることを話しました。

このテレビの音のような物はなんだか楽しそうでバラエティ番組のような音でした。不思議と怖いという感覚は無く私たち家族が寝静まった後に叉違う家族が家族団らんを楽しんでいる!という感覚であまり気にとめることも無くなりました。

そんな風になんだか不思議な共同生活をしていたのですがある日のことです。

その日も家族みんなで寝室で川の字で寝ていました。私はなぜか途中で目が覚めてしまい、時間はわかりませんが朝日が入り明るくなっている時間帯でした。
トイレに行きたいわけでもなく、もう一眠りしようと目をつむっていました。

するとトン…トン…とどこからか音がしていてその正体が気になり眠らずに耳を澄ましているとトントンと音のペースが速くなりました。

そのとき階段を上る音だと気がつき純粋に不審者か何かだと思いどう逃げたらいいのかそんなことを考えているとダダダダダと駆け上がり寝室の前で音がぴたりと止まりました。

ドア開けられたら家族みんな不審者に殺される!と怖くなりどうすることも出来ずにいると横で寝ていた母が立ち上がりドアをガッ!と勢いよく開けました。
ですがそこには誰もいません。ほかの部屋もすべて確認して戻ってきた母が私が起きていることに気がつき「聞いた?」とだけきき私は頷きました。
何もなかったしだれもいないから大丈夫だよとだけいい兄弟には秘密にしておこうと約束をしました。

このこと依頼は以前と同じように家族団らんしているような音が聞こえる以外には何も起こりませんでした。
あの日階段を駆け上がった正体は今でもわかりません。

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