真夜中に立ち寄った田舎の小さなトイレ
投稿者:とろとろ (22)
これは、まだ私が小学生くらいのころに体験した話です。
東海地方から東北の方へ行くのに何時間も親が運転している車に乗って移動しているときのことでした。
その車には、親と私と姉が乗っていました。
暑くもなく、寒くもない秋くらいの時期でした。
ほとんどは、高速道路を使っての移動でしたが、もうすぐ東北の方へ入るというところまできたので高速道路をおりたのだと思います。
そして、下道を車で走らせているうちに、だんだんと親が眠くなってきてしまい、けれども、高速道路を降りてしまっているのでサービスエリアも、もちろんありません。
そこは、ただの田舎道で、コンビニすらもないようなところでした。
そうしているうちに、公園などにあるようなトイレをもっと古くしたような小さなトイレがポツンとあり、目の前には車を止められるスペースがありました。親は、親が寝ている間に、私たち子供がトイレに行きたくなったら、いつでも行けるようにと考え、そこに車を停めて仮眠をとることにしました。
いつのまにか私たち子供も車の中で、寝ていたのですが、私は案の定トイレに行きたくなってしまい、目が覚めました。
「目の前にトイレがあるから良かった〜。でも暗いし、ちょっと一人で行くのは怖いから、お姉ちゃんを起こそう!」と思い、姉を起こしました。
姉に「トイレに行きたいけど一人で行くのは怖いからついてきてほしい」と伝えたら、姉は心良く了承してくれました。
ちなみに姉は、中学生くらいだったと思います。
二人で車を降りて、外に出ました。
あたりは真っ暗です。なぜなら、2時3時くらいの真夜中でした。
トイレ以外には何の建物もありません。
私は、なんでこんな時間にトイレに行きたくなってしまったのかという後悔もありましたが、姉がついているので、何かあっても、なんとか大丈夫かな、でも…。
と、なんだか不安な気持ちは、ありました。
とりあえず、姉にはトイレの個室の目の前で、待っててもらうことにしました。
ドアの目の前に姉がいる状態です。
姉に「絶対そこから離れないでね!すぐ出るからいてね!」と私は言い、
姉は、「わかったよ。いるから。」と言ってくれました。
私は、ドアを閉めて鍵をかけ、急いで用をたしました。
私は、すっきりして良かった〜と思い、早く出なくちゃと鍵を開け出ようとした、その時です!
ドアが…ドアが開かないんです。
私はパニックになりました。
ドアの目の前にいる姉に「ドアが開かない!」というと、「そんな冗談いらないから、早く出てきて!」と姉が私に言います。
「冗談なんて言ってない!本当に出れない!助けて!」と私は、パニックになりながら、姉に言いました。
そこで姉は、冗談ではないと分かってくれて、
「じゃあ、こっちからも、引っ張ってみるよ!」とドアを引っ張ってくれたのですが、開きません。
何をしても開かないのです。
そして姉が「親起こしてくるよ!」と言います。
でも、そうなるとたった数分でも、私は完全に一人になってしまいます。
たった一人トイレの個室に閉じ込まれたままになってしまう。
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