夜の山小屋に灯りも持たずに入ってきた一家
投稿者:FBS (19)
これは私の登山仲間から聞いた話である。
彼が色んな山を転々と登り制覇してきた中での、ある山の話だ。
その山は有料制の登山となっており、駐車場から近い場所にあるゲートにて管理棟があり管理人に住所連絡先と気持ち程度の額であるが登山料を支払う。
その日の到着時間は早朝をとっくに過ぎた8時くらいだったそうだ。
準備と手続きをして単独で上る。
標高はそれほど高いわけでないが、登り始めの時間がそれほど早くなかった事もあり、彼は山頂にある無人の山小屋で一泊してから下山するプランだった。
一泊するということで時間的にゆとりがあり、ゆっくり景色を見ながら登り二組ほどの登山者が下山するのとすれ違ったくらいで、ノントラブルで山頂まで登れたそうだ。
山頂に居るのは自分だけであり、夕方まで景色を見ながらコーヒーを沸かして飲んでいた。
陽が陰って暗くなってきて無人の山小屋に入ることにした。
そこで酒を飲みつつ夕食の準備しながら、時にラジオを聴きながらその時を楽しんだようだ。
食事を済ませて、酒を飲みながらラジオを聞き眠気が襲ってきて早めにランタンを消して寝ることにしたそうだ。
心地よさと疲れもあってぐっすり眠る。
ところが夜中、山小屋の壁や扉がガタガタする音で目覚める。
風は全く吹いていないがおかしい。
誰か数名の足音と共に壁が扉を探っているのかわからないがガタガタ音がする。
腕時計を見ると深夜の2時ではないか。
こんな時間に人がくるのか?
縦走で連なっている山なら、他の山から来たとかわかるがこの山は一つだけであり、登山ルートも一本だけなのだ。
自分の後にそんな時間に来るなんて今までの経験上ありえない。
そんな思いがあり恐怖で寝袋から起きることができず、そのまま微かに目を開けつつ寝たふりして様子をみた。
それからしばらくすると、遂に山小屋の扉がぎーっと音と共にゆっくり開けられた。
半分祈りならも微かに目を開け見ていると、ぼろぼろの服を着た男の子と女の子、その後両親と思えるぼろぼろの服をきた男女が灯りも持たずに入ってきた。
目を閉じ様子を伺っていると一度こちらが居る奥の方までゆっくり近づいてのぞきこんでいるようだ。
それから、なんの会話もないまましばしの時がたったのち、彼らは山小屋の扉を閉めることなく出ていった。
何故かその直後、彼は意識失っていたようだ。
恐怖を感じるとともに翌朝すぐに身支度をして下山をした。
急いで下山をしてゲートにある管理棟に事情を説明すると、昨日自分以外の登山者は誰もいなかったそうだ。
そして管理人からぽろっと出た言葉が「ちょうど一年前のこの時期、ある一家が事故に会われていまだに見つかってねぇんだ。」
十分怖かったです。