ルーズでズボラな男に待ち受けていた恐怖
投稿者:FBS (19)
これは以前、一緒に働いていた同僚から聞いた話だ。
彼は50代男性であり、150cm代という身長に体重が100kg前後あるという特徴的な人間である。
生き方も特別でご両親が早くに二人とも亡くなられたとのことで、祖父母から育てられたという経緯がある。
また、ご先祖様が由緒正しき姓の血統らしく、祖父は地元でそれなりの地主だったようだ。
そういったお坊ちゃまで育ったかわからないが、彼は働いたり働かなかったり性格のごとくのんびりしているというかルーズな人生を歩んできた。
しかし、祖父が地主だったと言ってもそれを売却してして、その資産も使って彼の代にはもう余り残っていなくなったそうだ。
個人的には彼が働かず祖父の資産でしばらくのらりくらり生活して使いきっただけの話の気もしたが・・・
それはさておき、やはり祖父母は高齢であり、先に亡くなることが当然のように起きた。
生前、祖父母から敷地にある蔵をこうして欲しいとか庭木をこうして欲しいとか亡くなった場合のお願いを色々聞かされていたようだ。
しかし、失礼だか彼の体格からわかるように彼は非常にルーズでありズボラであるのだ。
ゴミは投げっぱなし、日に日に祖父母が生きていたころより家がずさんになっていたようだ。
まぁ彼もショックだったろうしうつ状態だったのだろうか。
そんな日が続き働かず引き籠っている生活をしていると、ある時あたりから勝手に家のドアが開いたりすることに気づい始めた。
次第にそれだけで済まず誰もいないはずの廊下や階段から歩く音が聞こえる。
さすがのルーズな彼も何かおかしいと気づいたようだ。
そしてある時から金縛りがたびたび起きるようになったそうだ。
それでもそんな生活を続けていたら、ドアが開く頻度や足音が増えてきてさすがの彼も怖くなって除霊など考えたそうな。
そんな悶々とした日々を過ごし、寝ているとまた金縛りにあったそうな。
だがそのときばかりは目が開けられなかったらしい。
そして誰かが枕の上位置から座って自分の目の前から鼻の先までの距離でじっと覗き込んでいる気配がある。
最後の力を振り絞り目を開けると亡くなったはずの祖母が亡くなった際の真っ白いやつれた姿で鼻の先の距離から瞬きせずずっと見つめている。
そのまま意識を失った彼は翌朝ありえないほどの汗をかいていたそうだ。
汗を拭いながら生前祖父母に頼まれていたことを一切やっていなかったことを悔やんで、その日から片付けなど親戚の人にも手伝ってもらいながら取り組み始めたらピタッとドアが開くこと無くなり廊下の歩く音はしなくなったそうだ。
だが今でも金縛りは起きるらしい。
ゴミを片付けると収まるね