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ぷーさんさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

祖父の家の怖い日本人形
短編 2021/08/11 16:53 2,160view

ある年の夏、田舎に住む祖父の家に一人で帰省することになりました。
駅に到着するとすでに祖父が車で迎えに来てくれていました。

家に到着すると、私が渡した手土産を仏壇にお供えするおじいちゃんは、真剣な表情で手を合わせています。
仏壇の横に、ケースに入った綺麗な日本人形が飾ってありました。
「その人形どうしたの?」と聞くと「ああ、これな、知り合いからもらったんだ」と言います。
「顔が美人さんだね」と言うと「ああ、いい表情してるだろう」と祖父は嬉しそうな顔を見せました。

夕食を食べながらみんなで楽しく会話をしていると、私はトイレに行きたくなり、席を立ちました。

途中、仏間の横を通り過ぎる私は、少し緊張して通り過ぎました。
「大丈夫だよね」そう自分に言い聞かせながら前を通り過ぎようとしたときです。

「待って…」仏間の方から人の声が聞こえてきました。

でも真っ暗で誰もいない仏間から人の声がするわけがありません。
私は聞こえないふりをして通り過ぎようとしました。

すると「待って…」とまた人の声が聞こえてきます。
気になった私は、意を決してゆっくりと襖を開けてみました。
しかし、中には誰もいません。

恐怖と緊張で漏れそうになる私は、とにかくトイレで用を済まそうと走りました。
用を済ませると、早くリビングに戻ろうと仏間の前を通りすぎようとしたときです。

中から若い女性の声が聞こえてきました。
仏間の中を見ると、仏壇にお供えしてあるロウソクの火がポッと灯っているではないですか。
「さっきはロウソクの火なんてついてなかったのに…」

よく見れば、ロウソクの火で不気味に浮かび上がる日本人形から目が消えているではないですか。
夕方見たときは美しく凛とした顔だったのに。
急になにか悪巧みをするような顔に変わっているだなんて、私は怖い気持ちに包まれてリビングまで走りました。

「おじいちゃん!きて、きて」と祖父の腕を引っ張り、仏間に連れて行きました。
「どうした?」と聞くので、「これ、ロウソクの火が灯ってるの。それでね、日本人形の目がなくなってるの!」
私は一生懸命にさきほど見たことを話しました。

しかし、仏壇のロウソクは消えていました。
それに日本人形の顔は元の美しく、すました顔に戻っていたのです。
祖父は私の目を見ながら「今あったことは忘れるんだ。いいね?」と真剣な顔で言います。
「うん」と返事をした私は、家族にも親戚にもこの話はしていません。

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