古い旅館と創業者の霊
投稿者:イエティ (51)
長編
2021/05/10
13:01
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創業者はかなりの釣り好きで、釣り道具がままならない時代でも漁師に引けを取らないくらい大漁に釣っていたそうだ。
だから釣り客の前に現れるらしい。
そして黒い靄が見えた釣り人は、翌日の釣果がとんでもないことになるらしい。
実際、フロントにでかでかと飾ってあった化け物サイズのブリの魚拓は、黒い靄が見えた釣り人が見えた翌日に釣りあげたものらしい。
俺たちはすっかり安心して、死んだように眠った。
翌日4時頃、日の出とともに出向いた漁港で、イナダ(ブリの子供)やデカアジが意味が分からない量釣れてしまった。
周りの釣り人は釣れていないタイミングだろうとぽんぽん釣った。
さすがにオーバーだろうと思っていた大型クーラーボックスも満杯になり、お土産も確保。
ちょっと怖い思いしたけど、来てよかったなあ、なんて話ながら家路に着いた。
ただ一つ疑問が残った。
黒い靄の正体は分かったけど、庭にいたあいつは何だったんだろうか…
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上手いなぁ、最後に残る正体不明の恐怖、好き