ところが、就職先は、わずか半年で倒産してしまったのです。
しかも、給料の未払いなど、さまざまな問題に巻き込まれ、散々な目に遭ったといいます。
こうして、Bさんの家族には、次々と不幸が降りかかっていきました。
父親の死。
三女の交通事故。
母親の宗教への傾倒。
長女の失踪。
そして、次女の仕事まで失われてしまったのです。
では、現在、家族はどうなっているのでしょうか。
お母さんと三女のCさんは、現在、もともと住んでいた家を離れ、病院の近くにある安いアパートで暮らしているそうです。
週に二度の通院。
電車やバスを乗り継いで病院へ通うのは、二人にとって大きな負担だったのでしょう。
そのため、少しでも通院の負担を減らそうと、病院の近くへ移り住んだのです。
お母さんは、今でも時々、もとの家へ帰ってくることがあるそうです。
ただ、宗教への傾倒は、現在も続いています。
そのため、Bさんは、できることならお母さんと顔を合わせたくないと考えているようです。
お母さんが帰ってくるときには、アルバイトがあると伝え、できるだけ顔を合わせないようにしているといいます。
そして、Bさんは現在……。
あの家に、一人で暮らしています。
医療事務の資格を取るため、アルバイトをしながら勉強を続けているそうです。
まだ若いBさんが、これまで家族に起きた出来事をどのような思いで受け止めているのか。
その胸の内を、私が知ることはできません。
ただ、引っ越しをしてから、わずか数年。
家族五人で暮らしていた一家は、いつしかバラバラになってしまいました。
お父さんは亡くなり、三女は事故の後遺症に苦しみ、長女は行方が分からなくなり、お母さんは宗教にのめり込んでしまった。
そして、次女のBさんは、一人で生活を続けているのです。
大げさな表現かもしれませんが……。
まさに、一家離散と呼ぶべき状況でした。
さて、ここまでお話ししてきましたが、この家に幽霊が出たという話はありません。
土地に何か恐ろしい因縁があった、という話も聞いていません。


























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