そして、なぜ、一人ずつ肩を叩いたのか。
お父さんは、何も説明してくれなかったそうです。
その後、池谷さんたちは、お寺をあとにしました。
そして、この出来事が原因なのかどうかは分かりませんが、池谷さんやほかの友達に、特に変わったことは起きなかったといいます。
池谷さん自身も、あの体験を不思議な出来事だったとは思っているものの、だからといって幽霊や怪談を信じるようになったわけではありませんでした。
むしろ、今でも、心霊現象の多くは気のせいや思い込みで説明できると考えているそうです。
ただ、一つだけ。
どうしても、説明がつかないことがある。
それが、あの夏の日に起きた出来事でした。
誰もが、B君が帰っていく姿を見た。
けれど、B君本人には、その記憶がない。
そして翌朝、住職は子供たちを本堂に集め、お経を唱え、一人ずつ肩を叩いた。
住職が、あのとき何を考えていたのか。
あの出来事について、何か心当たりがあったのか。
それとも、念のために何かをしておこうと考えただけだったのか。
その理由は、今も分かりません。
ちなみに、この話を聞いた小川さんも、住職の行動が気になったそうです。
「住職さんは、何か分かっていたんですかね……?」
小川さんは、そんなふうに話していたそうです。
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