第二話 ガレキの町
目隠しをしているので場所の検討はつかないいが、距離からすると隣県には来たようだ。
『揺れますよ』
運転手は言った。確かにでこぼこ道たった。
『他に車はいないようだな』
さっきから車の気配がない。それは目隠ししていてもわかる。
『この辺りは誰も住んでません』
トラックはでこぼこ道をしばらく走った。
『到着しました』
俺が目隠しを外すとガレキの町だった。地震か台風でも来たようでマトモな建築物はなかった。
『いや一軒だけある』
それは人工の建物でなく自然が作った造形物のようだ。大きさは一軒家くらいで、窓も戸口もないドーム状の建物だ。壁面はうろこのようなパネルが張り合わされている。
『今回は長持ちしたな』
俺がトラックを降りて造形物に近寄ると建物の陰からブラックマン博士が現れた。
『お久しぶりです』
博士に会うのは一月ぶりだった。
『根性のある君には次の仕事を頼みたい』
そのとき背後でエンジン音がした。木箱を下ろした大崎さんがトラックを出発させたのだ。
『俺はどうやって帰ればいい』
俺は無人の町に取り残されてしまった。電車や路線バスが走っているようには見えない。そう言えば博士はどうやってこの町に来たのだろう。
『心配しなくても市役所の人間が定期的に巡回に来る。その車に乗せてもらえばいい』
木箱の回収のときもそうだったが、博士の話には時間の観念がない。いつ見回りが来るのかわからなかった。
『次の仕事はこれだ』
博士は積み上げられた木箱の一つの蓋をバールで開けた。木箱は百個以上あるから俺の前に働いていた者の分もあるのだろう。
『立派な蛹(さなぎ)になりましたね』
小指くらいだった幼虫が2〜3倍の大きさの蛹になっていた。
『まもなく羽化が始まる』
羽化とは蛹が成虫になることだ。
『この蛹をガレキの町に撒いてほしい。ドームを中心に同心円になるようにだ』
ドームとは奇妙な形の造形物のようだ。確かに半球状(ドーム型)をしている。
『そろそろ俺にも目的を教えて欲しい』
俺は敬語は話すのを諦めた。いくら雇い主でも博士は怪し過ぎる。
『見せてやろう』
博士は俺を造形物いやドームにいざなった。
『これは?』
ドームの壁面に蛇口が着いている。ここだけは金物屋で売っている既製品だ。
『ポンプで井戸水を汲み上げるだけだ。しかし見せたいのはそこではない』
博士が蛇口をひねると蒸気が立った。蛇口から出ているのは熱湯だった。
『温泉ですか?』
こんな廃墟の町にライフラインは通ってないだろう。
『地下水を熱しただけだ。ただし化石燃料は使っていない』
化石燃料でないなら原子力か?
『君にはこれ以上は説明しても理解できないだろう。さっさと仕事に掛かり給え』
























やっと2話目が投稿できました。
怖く感じるシーンはないけど、ラストまで書き続けるので応援してください。