話を聞いてみると、その女の子とは小学校から一緒で、格別親しかったわけではないがそこそこ話していたという。
「いじめられてたのは知ってた。でもその子と話すと、その子と話してる人もいじめられるから、私も無視しちゃってた」
さらに続けて
「美術の時間もほとんど話さないでずっと描いてて。今思えば、話しかければよかったってすごく後悔してる」
と語った。
次の日、例の絵は母が知り合いの住職に渡すことに。
事柄が事柄なため、絵に何かあるわけではないが、所有していることにためらいがあったのだろう。
鉛筆で描いただけの似顔絵、その表情は悲しみに暮れた最後の顔だったのか。それとも、落ちてしまったときの顔だったのか。
三十年ほど前、東京都某所で起きた新聞にも載った話である。
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