夏休みが明けて、学校に行った。
いじめが明るみになったからといって、いじめがなくなるとは限らない。より見つけづらく陰湿になることもある。
幸い、俺の場合はいじめがなくなった。
俺をいじめていたヤツらは俺を呼び出したが、意外にも手を出してこなかった。
そして、その日のうちに全員が無免許のバイク事故でバラバラになって死んだらしい。
噂で聞いただけだから、どこまでが本当なのかはわからない。
そんな俺が中学を出る頃には両親も他界し、俺は天涯孤独の身となった。そして、そのまま社会に出て働き出した。
20歳になる頃、俺にも将来を考える相手ができた。趣味やふたりの未来について語り合う時間は楽しかった。俺には友達もいなかったから、なおさらだ。
彼女は悪夢を頻繁に見ていたらしく、『怖い何かに睨まれる』と言っていた。できるだけ力になってあげたかったが、さすがに夢はどうしようもなかった。
そして、彼女と男女の関係を持った翌日には「ものすごく怖い夢を見た」と俺の腕の中で震えていた。その数日後、彼女は自宅でバラバラになって死んでいるのが発見された。俺は不思議と悲しくはなかった。
職場では、俺の彼女の死を知った先輩が『気の流れが澱んでる。いい先生を紹介する』なんて言ってきた。苦手な先輩だったが断りきれず、紹介された霊能力者を訪ねることになった。
薄暗い部屋の中で大きな水晶玉を挟んで霊能力者の男と向かい合った。霊なんて信じてなかったけど、なんとなく「俺に守護霊は憑いてますか?」って訊ねた。
男は水晶玉に手をかざして何かを真剣に見ていた。そして、「戦国時代の武将が憑いてる。しかし、満身創痍だ」なんて言ってきた。続けて「力を取り戻すには、この霊的な力を宿すブレスレットが必要だ」なんて言いながら、水晶玉の横に小さな桐の箱を置いて――箱が叩き潰された。男の手も一緒に。
まるで、見えない重いものが上から降ってきたかのような潰れ方だった。男は短い悲鳴を上げて手を引っ込めた。
俺が「どうなってるんですか?」と聞くと、「いや、ちょっと間違えた。もっと強力なものが必要なようだ」なんて震える声で言った。そして、水晶玉にヒビが入ったかと思うと、そのまま割れた。
俺は意味もわからず追い出された。
翌日、職場に行くと、先輩が出社してこなかった。
その日の午後に部屋を訪ねた同僚が、バラバラになった先輩を発見したと聞かされた。
あの日以降、あの霊能力者の店が開いているのを見なかった。
それから1年くらいは抜け殻のような生活を送っていた。俺がもっとしっかりしていれば、彼女は死なずに済んだと思うようになった。
そうすれば、彼女は今でも俺の隣にいたかもしれない。
カレンダーを見ると、赤い丸が目に入った――彼女の命日だ。
彼女は今でも俺を見守ってくれていると信じている。
今はどんな姿で、どんな表情なのかもわからないけれど。
























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