この1年で急に目が悪くなったなぁ。
新卒時の就職活動がなかなか思うようにいかずなんとか拾ってもらえた地域の大手スーパーで働いて10年。
不本意ながらも真面目に現場で頑張っていると去年から店長に昇格してしまった。
不慣れなパソコン作業が業務の中心となり毎日毎日遅くまでモニターとにらめっこしながら店の売上予測や実績の報告を本部に送る。
もともと視力にはそこそこ自信があり、裸眼で日常生活や仕事は問題ない程度には見えていたはずだった。
しかし今では目の前の常連のお客様の表情すらはっきりとは読み取れなくなり、さらにはほうれん草と小松菜みたいに似ている商品は手に取らないと識別できないくらいには視力が下がってしまっている。
もちろんメガネをかければ済む話なのだが一度メガネを試しに作ろうとしたときどうにも耳にかかる感触が不快で今も作れていないのだった。
コンタクトに至っては検討の余地すらなかった。目にレンズを入れるなんて考えただけでもゾッとするような行為ではないか。
しかし仕事にもだんだんと悪影響が出始めたためになんとかしないとなぁと悩んでいたところたまたま流れてきたテレビCMに目を奪われた。
「最近人の顔がみにくい・・・。
旅行に来たのにせっかくの景色で感動できない・・・。
そんなお悩みはありませんか?
ヨクミエールは全く新しい飲むタイプの目の薬です。
これを飲めば眼鏡やコンタクトレンズがなくてもはっきりと世界がよく見えるようになります!!
効果はなんと1ヶ月も持続します。
ぜひお近くの眼科にお問い合わせください。
明るい未来は良い視界から。ヨクミエール!!
人をよくする。世界をよくする。九十九製薬」
飲むだけで視力が回復するだなんて今はそんな便利なものがあるのかと驚くとともに感心してしまった。
早速調べると近所の眼科で既に対応していることがわかったので迷わず次の休みの日に予約を入れることにした。
病院を訪れるとまずは簡単な問診が行われた。
初めてかかる病院で少し不安だったが先生はとても社交的で話しやすい感じのいい先生で安心できた。
問診の後は視力検査に移った。どうやらかなり悪いらしく先生も「これで裸眼で過ごしてたの?見えにくかったでしょうに・・・」と半ば呆れられていた。
一通りの検査が終わるとついにヨクミエールの使い方の説明が始まった。
「1錠飲めば最初は数日で効果が出始めます。その後は効果を維持するために毎月1錠飲むようにしてください。
飲み忘れると効果が切れて運転や作業などに支障が出ることも考えられるのでしっかりと飲み続けてください。
薬は1年分処方されますのでまた来年来てください。」
最後に支払いだが流石に保険診療ではないので薬代含めて5万円ほどの会計になった。
決して安くはないが眼鏡やコンタクトを買って、さらにそれの使用による不快感や苦痛に耐えることを考えると十分に納得のいく金額であった。
ヨクミエールを飲んでから数日が経過した。
明らかに視界が変わったと思えたのは3日目だった。
今までぼんやりとしか見えていなかった世界の解像度が急に高まって、まるでプレステからいきなりプレステ3に買い替えたときの感動を思い出した。























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