母はそう続けた。
『あの人は、あなたに危害を加えるつもりはありません』
そこでテープが、
突然止まった。
「……え?」
再生ボタンを押す。
動かない。
裏返す。
反対側には、
何も録音されていなかった。
僕は呆然とした。
測量士が、
「これ……」
と言った。
僕は顔を上げる。
「何ですか?」
測量士は、
収納の床を指差していた。
昨日まで段ボールが置いてあった場所。
そこに、
新しい傷があった。
床板に、
何かを引きずったような跡。
そしてその先、
壁際に、
人が座っていたような跡が残っていた。
埃が不自然に押しつぶされている。
僕は何も言えなかった。
測量士も、
それ以上何も言わなかった。
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